07/10/28 20:10:58 Hvsu8fXt0
>>629
作品それのみを教材として「技を盗め」というのは無理が生じる。
昔より画・ストーリー共に質が向上したというのなら、尚のことそう。
なぜなら、この指導概念は単に「技を覚えろ」という意味ではなくて
「観察眼・分析力を鍛えろ」という意味に重心が移ったものだから。
故に「技を盗め」だけでは、説明したいこと全てを言えずとも仕方無い。
師匠と寝食を共にして「何故それをし(言っ)たのか」を、耳目を全開
して凝視凝聴するのが、かつてのアシスタント制度の本質だった。
漫画家という決してメジャーじゃない職業にとっての人材育成が、全て
現場に委ねるしかなかった事実にも通じる。
で、現在「観察眼・分析力を鍛える」上で必要なのは、交友関係を広める
一方で、ジャンルも媒体も問わずにより多くの作品を濫読濫賞すること。
最後に、「これは誰にも負けない」というディープな趣味を持つこと。
仮にこの3行の内「濫読濫賞」しかできなくても、そこからの努力を怠って
しまったのが、今のオタクの惨状だと思う。3つの「甘え」を原因としてね。
1.漫画という表現構造を分解した(再構築が無い)。
2.制作ノルマが無い。
3.エロに逃げた。
ネットで情報収集のショートカットができるようになったとはいえ、あくまでも
手段だということ、結局は対人行為だということを理解していれば
まだ救いがあるのに。