07/09/16 07:28:07 bTiJfNyB0
喪失感。
今感じるのは、それだけ。
後悔していないと言えば嘘になる。
あのまま、放さなければ良かったと、思わないでもない。
でも、身体だけが欲しいんじゃない。キミの心が欲しいから。
だから、僕を見ないキミじゃ、意味がないんだ―
二週間ぶりに彼のいない応接室。
…こんなに、広かっただろうか。
彼がいないだけで、空虚な空間と化した部屋。
落ちつかない。
そんなこと、今まで思った事などなかったのに。
昨日までいた彼の存在は、僕にとって一番大事なもの。
でも、溺れてはいない。
僕は、僕。
彼がいなくても、何も問題はない。
そのはずだった。
でも、もう認めないわけにはいかない。
だって、こんなにも。
キミが恋しい。
ほんの二週間前。
彼がいない時を自分がどう過ごしてきたのか、もう分からない。
いつからだろう。
いつのまにか。
キミに、溺れた。
苛々する。
彼が、いない。
ただそれだけで、こんなにも焦燥感が募る。
僕が、彼を返したのに。
そんな自分に苛つく。
沢田の、怯えた顔が脳裏に浮かぶ。
震えながら、でもはっきりと僕を見た。
彼の行方を尋ねる沢田に、正直に答えたのは、彼のため。
彼は、ずっとあの男が迎えにくるのを待っていたから。
彼の笑った顔が見たかったから。
でも、あの笑顔も、なにもかもが、本当は沢田のものだ。
僕のものじゃ、ない。
それが、これほど苦しいなんて。
知らなかったんだ―