07/03/16 00:14:04 sPlStOld0
バレ
圧倒的なヒロムの動体視力だった。相馬が、鰐淵が、その才能に絶望する。試合中にも関わらず床にくずおれてしまうほどに。
チアガールの歓声ももはやヒロム一色に塗りつぶされ、王華の選手も、城島も、誰もが勝利を諦めかけた。
その時だった。なんと城島の傍らに立つコーチが何か大声をあげ卓球台へと歩を進めてくるではないか。
コーチは、おもむろにシャツを脱ぎ、ズボンを脱いだ。
服の下からは、なんと、卓球日本代表のナショナルチームウェア。
城島が、コーチを止めようとすがりつく。コーチは、彼の髪を掴み、豪快に観客席に投げつけた。
そのまま相馬のラケットを奪い、ヒロムを指差して、叫んだ――
「さぁ行くぞ久勢北! 俺を止められるか!?」
それはまるで、世界を舞台に戦った在りし日の姿そのままに。あの勇姿が今再びここに立つ。
その威圧感を前に、ヒロムが笑う。怖いのに、身体が震えているのに、それでも、今この時が楽しいのだと。
王華が生き返る。観客席が総立つ。久勢北コール、王華コール、コーチコールで卓球場が揺れた。
―― さあ、ドキドキしよう!
-let's Play Pingpong!-
この試合は記録には残らない。だが幾人かの記憶に残ることになった。
ヒロム11-0コーチ
江尻立真先生の次回作にご期待ください!
新連載予告
タカヤ―夜更けの強姦王―