07/03/20 00:43:32
(>>348適当書き下しorz)
「述異記に曰く、陸機は少(わか)き時、頗(すこぶ)る猟を好む。呉に在りて、豪客が快犬を献じ、名して黄耳と曰う。
機の後に洛に仕うるに、常に将(も)って自ら隨う。此の犬は黠慧(かっけい)にして、能く人語を解し、
又(また)嘗(かつ)て三百里の外の人に貸すに、犬は自ら還る路を識りて、一日にして家に至る。
機は京師に羈旅(きりょ)し、久しく家問(かもん)の無きに、因りて戯れに犬に語りて曰く、
我が家より絶えて書信の無きに、汝は能く馳せ書を賚(たま)い消息を取らずや。犬は喜びて、
尾を揺らし声を作(な)して之(これ)に応ず。機は試みて書を為(な)し、竹筒を以って盛り、之を犬の頚に繫(か)ける。
犬は駅路に出(い)で、呉に向けて走り、飢えれば則ち草に入り、肉を噬(くら)い飽を取り、
大水を経ると毎(いえど)も、輒ち渡る者に依りて、毛を弭(び)し尾を掉(ふ)りて之に向かう。
其の人は憐んで愛し、因りて船の上に呼ぶに、裁(わず)かに岸に近づけば、犬は即ち騰上して速かに去る。
先ず機の家に到り、口に筒を銜(くわ)え声を作(な)して之を示し、機の家が筒を開け書を取り、看(み)畢(おわ)れば、
犬は又(また)人に伺い声を作し、求むる所の有る如し。其(すなわ)ち家は答書を作り、筒に内(い)れ、
復(ま)た犬の頚に繫(か)ける。犬は既に答えを得ると、仍りて馳せ洛に還り、人の行程を計るに五旬を、
犬が往還するに裁(わず)かに半月なり。後に犬の死するに、之(これ)を殯(もがり)し、送還せしめて機の村に葬り、
機の家を去ること二百歩に、土を聚(あつ)めて墳と為し、村人は黄耳冢と呼び為す。」