07/03/25 03:54:33 MYoBcPiO0
>>234 の投票見て思ったんだけど
北海道の回ってあんまこのスレ的に評価されてないのかな。
確かに前編はトンでも展開過ぎだとは感じたんだが
後編の信二と沙雪の対峙から港での工藤の告白~電車内の吐露は
苦しすぎで最後涙が止まらなかった。
信二と沙雪、沙雪・沙雪の母と工藤のパラレル。
殺人と死刑という全く意味の違う死だけど似た痛みに溢れている。
人を裁く立場にある人は常に人を裁く価値が
自分自身にあるのかと自問自答するというけど
その究極の仕事をしていただろう工藤が
目の当たりにした事実と絶望は見ていて堪らなかった。
30年間痛みながら誇りを持って続けていた筈の自分の仕事が
被害者にとっては何の意味ももたなかったように見え
加害家族には自分の存在を否定される絶望。
被害者の無念を晴らすという正義や大儀を旗印に
娘に画集を送り続ける程感情移入してしまった男の首に
血の涙を流しながら縄をかけたというのに
一方被害者の家族は復讐のみに生き新たな殺人を犯そうとしているって
工藤が感じた「自分の人生全否定」の絶望だったんだろうなって。
ラストで沙雪がホームに来たって救いは
櫻井独特の甘さだと思うけどそれすら好きなんだ。
前後編で作品を見れば偏った出来なのかもしれないけど
描きたいテーマがビシビシ伝わる櫻井節を堪能できた。