07/02/04 17:14:51 EGrNPiww
妾に関しても山崎豊子先生は一家言を持っておられる。
「旦那修身」「妾道」という言葉も出てくる>『ぼんち』『女系家族』
今よりずっと貧富の格差が大きく、女性の堅気な就職先も少なかった戦前は、
田舎地主クラスでも妾を持つことが多かった。
「妾奉公」という言葉もあり、しばらく妾をやって金をため、好きな男に嫁ぐ
というパターンもあった。
旦那側も嫁入り支度を整えて、気持ちよく送り出すのが建前だった。
妾を持つのも大変だよ。妾とその子供は勿論、妾の親兄弟の生活保障まで、
旦那側の負担だった。旦那本人が死んでも、相続人に負担が継承された。
そういう負担を渋ると、ケチだ不人情だと地域社会で悪口を言われて、
子女の縁談にも差し障った。
「妾を持つのは男の甲斐性」というのは、そういう甲斐性のある男しか、
妾を持っちゃいかん、という戒めでもあった。