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過去の良化隊の実例
■物語日本史 平泉澄著
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(前略)
昭和二十七年四月、占領は解除せられ、日本は独立しました。
長い間、口を封ぜられ、厳しく監視せられていた
私も、漸く追放解除になりました。一年経って昭和二十八年五月二日、先賢の八十年祭に福井
へ参りましたところ、出て来た序でに成和中学校で講和を頼まれました。その中学校を私は知ら
ず、中学生は私を知らず、知らぬ者と知らぬ者とが予期せざる対面で、いわば遭遇戦でありまし
た。講和は極めて短時間で、要旨は簡単明瞭でありました。
「皆さん!皆さんはお気の毒に、長くアメリカの占領下に在って、事実を事実として教えられる
ことが許されていなかった。今や占領は終わった。重要な史実は、正しくこれを知らねばならぬ。」
と説き起こして、二、三の重要なる歴史事実を説きました。その時の生徒の顔、感動に輝く瞳、
それを私は永久に忘れないでしょう。生徒一千、瞳は二千、その二千の瞳は、私が壇上に在れば壇
上の私に集中し、話し終わって檀を下りれば檀下の私に集中しました。見るというようなものではなく、
射るという感じでした。