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☆岡崎汐の憂鬱Ⅰ
パパが来るときだけわたしは存在を自覚する。
わたしは雪から掘り起こされて、パパと少しの間だけ話をする。
そしてつかの間の会話のあと…。
さようなら… パパっ…
別れ、またわたしは世界になる。
いつしかまたそれをくり返す。 何度も何度もくり返す。
パパはここでの記憶を持っていけないから。
でも、同じ結果になってしまうのがあまりに多いのもどうかと思うんだよ。
そして、パパはまた来る。 始まりも終わりもないような世界で、なぜかいつものように。
…僕はいつまでも、君のそばにいる…
そんな声がする。
またどうしたの?
…またって?
ううん、なんでもないよ。きみは雪の中で倒れたんだね。
…うん、小さな誰かを抱きしめて、そして気を失った気がするんだ…。
そうなんだ。
きみはたぶん、他にも大事な人を失ったんだね。
…そんな気がする…
そうだね。もし助けたい人がいるなら、向こうの世界で光を探してほしい。
…光…
そう、だから光。
…いやだ、僕は君を助けたいんだ…
そしてパパは、強い風に吹かれ崩れ去った。
さようなら… パパっ…