08/01/17 01:17:59 qzZHl0BV
狼は頭から人を食べるのは、日本狼も同じだそうだ。
日本狼は頭が良く、陽が傾く頃から行動を開始し、人馬を山道で襲う。
但し、俗に言う送り狼は、群れから離れて獲物を捕れなくなった老狼が、
人に纏わりついて食糧をねだっている行為である事が多い。
この送り狼は、人が転ぶと襲うと言うが、真偽のほどは分からない。
群れで山を移動して暮らす狼に於いて、群れにいる老狼は邪魔者である。
牙が抜け落ち、獲物を捕る力の失くなった老狼は、もう群れに居る価値はない。
しかし老狼の知恵は文字通り老獪なのである。
老狼は隙を見せれば、群れの若い狼に食い殺されるのをよくわかっている。
故に彼等は、牙の抜け落ちた口で山葡萄などの果物を食べる際、
自分の体の毛を毟って一緒に飲み込んでいる。
こうすると糞に体毛が残り、如何にも獣を襲って食ったかのように
カムフラージュできるからだ。
何故なら老狼は、若い狼たちが、糞に毛があるのを見つけることにより、
老狼が狩る力、反撃する力があるかを見極めているのを知っているからだ。
こうして老狼は群れの若い狼を騙しながら、日々生命の凌ぎを削っている。