07/06/20 21:35:37 S0jw5Nne0
荷物を積んだ台車を押しながら、メイビーと一緒に団地内を回った。
メイビー曰く、この団地内にはほぼ毎日の様に配達に行く家が2軒あるらしい。
ひとつはA棟に住む新婚家庭で、ここは最初の方に配達に行ったが「超」が付くんじゃないかというバカップルぶりだった。メイビーは「そのうち慣れる」と云っていたが、それはまだオレには判らない。
C棟の10階、1010号室。メイビーの言う、この団地内でもう一つの
お得意様がここらしい。
レンガ色のドアの横に付いた焦茶色の表札には、"Barkell/Buttle"と
白いイタリック体で書かれていた。
そして、そこに出会いはあった。
クール便用の保冷バッグを抱えたオレがチャイムを鳴らし、
インターホンに向かって爽やかな挨拶をする。
「こんにちは~赤猫便でー…」
「す」を言い終わるよりも早く、オレの左側にあったドアが勢い良く開いた。
「来たー!!」
喜びの声をあげたその部屋の住人の顔を見て、オレは身体中に電流が走るのを感じた。
かっ……可愛い!
ヘーゼル色の瞳、やや大きめの口だけど整ってる顔、光に透けて輝くブロンドの髪。
ヘンリーネックのTシャツから覗く線の細い腕、首、うなじ。
そしてジーンズに包まれた、キュッと上がったコンパクトに出来た尻。
……何? オレ、夢を見ているの?
この美しい生き物は一体誰?
オレが彼に見蕩れていると、後ろからメイビーが背中をつついて来た。
はっそうだ、今は仕事中だ。この可憐な彼に荷物を届けに来たのだった。
緩んだ顔を瞬速で営業用に立て直し、スマイルたっぷりにオレは話しだした。
「いつもありがとうございます、赤猫便です。ジェフリー・バトルさん宛にロ●ズ・
コンフェクトさんから『チョコレート詰め合わせ(特大)』が届いておりますのでサインを
いただけますでしょうか?」
荷物が入った保冷バッグを手渡し、ユニフォームである真っ赤なラガーシャツの
胸ポケットから、まだ使い始めたばかりのボールペンを差し出すと、そのキラキラと
輝く可愛い彼は保冷バッグを台にして、ぼこぼことしてて書き辛いだろうにそれでも慣れた調子で『ジェフリー・バトル・バーケル』と伝票にサインをした。
ジェフリーって名前なのか。良い名だ。
もうダメ、オレも限界。
オレは着ていた服を靴下以外全部その場に脱ぎ捨て、もう一度ジェフに覆いかぶさった。口の中に残ったジェフの精液で指を湿らせて、
その指をジェフの最奥の部分へ一本ずつ入れていった。オレの指がジェフの中にある性感帯にあたると、ジェフの啼き声が一段と高くなり、オレの指をぎゅっと締め付けた。
ジェフのアナルがオレの指3本をスムーズに飲み込むようになったのを見計らい、オレは余裕無いぐらいガチガチに勃起したオレ自身にコンドームを被せ、ジェフのアナルへゆっくり挿入していった。
「……ああっ!……あっ、あっ、あっ……ステファンのっ……熱いッ……あぁあ……」
オレの腰の動きに合わせて、ジェフの喘ぎ声が一定のリズムを刻む。
眉根を寄せた顔に唇を寄せると、ジェフの方からオレの唇に吸い付いてきた。
結合したまま舌を激しく絡み合わせると、ジェフの内壁がオレを強く締め付ける。
廊下ではイヤだ、とさっきまで言っていたジェフだったが、
もはや彼もすっかりこの行為に没頭し始めていた。
「あぁ、あぁん……もうダメ、リー……イッちゃう……あっあっあっあっ……」
お互いの頂点が近付いてきた頃、ジェフがうわ言の様に夫の名前を口にした。
ここで萎えなかったのは我ながらエラいと思った。オレに突き上げられながらなお、ジェフはリー、リーと夫の名前を呼び続けた。
「あぁっ、いい!リー、もっと突いて!リー、気持ちいいよ、リー……あぁっ……」
まぶたを閉じているのは、その奥に夫の姿を思い浮かべているのだろう。
オレが恋しいこの人を腕に抱いているこの瞬間でも、この人はオレではなく夫に抱かれているのをオレの身体を使って仮想体験しているのだ。
オレはここにいない彼の夫に激しく嫉妬した。ジェフのペースに構わず、
自分のペースで彼を突き上げ、再び勃ちあがっていたジェフの股間のモノを激しく扱き上げた。
互いの身体がぶつかり合うパンパンという音と、ジェフの啼き声のピッチがどんどん速くなる。
ジェフが夫の名前を呼びながら2度目の絶頂を迎えた時、オレの顔は汗や涙で
ぐちゃぐちゃになっていた。