07/04/09 19:09:56 yeSap9hj0
荒川静香の目
適切だったコーチ判断
激動の展開の中の最終滑走。
どうしても音は聞こえるもので、集中力を維持するのは本当に難しい。
でも安藤さんは、氷に立った時、表情が全然硬くなかった。
初挑戦の選手にはできない。経験でまさった、と思う。
けがを抱えていた安藤さんが、自分の演技をすることだけに集中できたのも良かった。
私が2004年に優勝した時も、故障を抱え、最後まで滑り切りたい一心だったのを思い出す。
4回転、やりたかったと思うが、試合は生き物。メダルを意識するなら、ニコライ(モロゾフ・コーチ)の判断は適切だった。
トリノ五輪の私の時もそう。サーシャ(コーエン)が転んだ段階で「今日は3回転ルッツ―3回転ループはやらない」と。
理由は言わない。ただ「やらなくていい」と。
浅田さんは、ジャンプに集中し切って、つなぎの部分にいつもの元気がなかった。
スパイラルで止まりそうに見え、後からあおりたくなった。
でも、直前の練習までジャンプに不安を残していたから、ていねいに滑るのは正しい選択。
直前の金妍兒選手の点数発表が間延びしたのも、実は大きなプラス。
浅田さんは、あの時間を使い、名前が呼ばれるぎりぎりまで、アクセルの確認をしていた。落ち着くのに役立ったと思う。
無駄な失敗などないし、失敗しないと学べないものがある。
SPからここまで持ち直したことは、大きな収穫。
2人とも、今回をスタート地点と考えて、これから闘っていってほしい。
(トリノ五輪金メダリスト)