07/11/15 20:52:19 KbBktApj
コンビニでバイトをしてるオレ。この時期クリスマスイブのシフトが決定し、
毎年恒例の シフトを替わってくれ大会が始まる。
まあいつものことだが取り立てて用事もないオレが夜のシフトに 入ることになった。
飯を奢ってもらう条件付きだし、ま、悪くないね。
当日になり、もう一人の不幸な相棒がやってきた。オレはちょっと驚く。
多田野さんがやって来たからだ。 「あれ?この時間のシフトに入るなんて珍しいね」
「はい。店長に無理矢理頼まれちゃって。空いてるの、僕だけだったみたいで・・・」
日が日ということもあり客はいつもより少なく、暇なオレ達は沢山の話をした。普段同じシフトに入る
こともない相手なだけにお互い知らないことだらけで話は尽きなかった。
ただ、時々大きなあくびをして眠そうにしてる彼を見ると、やっぱりオレといるのは退屈なんだろうな、
と現実に戻されるわけだ。 数時間が過ぎたころ久しぶりの来客。カップルだった。どうもその彼女の方が多田野さんと知り合いらしく
親しげに話し掛けてきた。 「あれ?数人何してるの、こんな所で。今年のイブは好きな人と一緒に過ごせるんだってはしゃいでたじゃん」
そしてチラリとオレの方を見てはっと、そうセリフを付けるなら「ハッ!」しか有り得ないような顔をして
「ご、ごめん」とだけ言ってそそくさと店を出て行った。おい、ちょっと、どうするんだよこの空気。
多田野さんの方を見る。真っ赤な顔でうつむいてる多田野さん。
すると多田野さんがぽつりとつぶやいた。 「・・・昨日、ドキドキして一睡もできなかったんですよ」