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tansinnのガイドライン16 - 暇つぶし2ch194:水先案名無い人
07/10/01 21:21:51 YGg4bWEw0
また家族に取り残される夢を見た。車から降りたところは覚えているが、そのあと
家族で何をしたかについては記憶が飛んでいて、次のシーンでは家族が乗った車が走り去るのを無感情に見送っていた。
例の、あの見知らぬ町らしい。車は町とは反対側の、なにがあるのかはっきりしない方向へ走ってゆく。
次の瞬間地下にいた。と思う。私の夢というのはいつもそうで、いかに根拠が薄くとも
「ここは見知らぬ町だ」「ここは地下世界だ」という概観だけはきっちりと提示される。虫や下等脊椎動物が持つ“生理的でない本能”とはこのような理不尽な強迫観念なのだろうか。
ついさっきまで雨が降っていたようだ。靴がゆるい地面に沈み込んでいる。
すぐ左から前方に延々と続く生垣も水滴を滴らせている。地下なのに。そうだ。空には相変わらず煮え切らない薄い雲の膜が
張り付いている。いつものことだ。いかに反証が揃おうともここは地下世界だと最初に決まってしまえばそれは揺るがない。本能は現実に適応してしまえるほど柔軟であってはならないのだ。
道理で下等生物ほど多く生まれ多く死ぬ理由だ。ひだリには生垣があるが、しかし右にもある。確かそんな迷路がイギリスだかどこかにあるという紹介を何かの本で読んだような気がする。
ナメクジ。
少し注意してみると生垣の葉や茎に大量に張り付いている。葉を食べるわけでもなく、ただもぞもぞと這い回り、
時折足を滑らせて落ちる。道の水溜りには水に落ち、ふやけて死んだナメクジが数匹浮いている。死んだ者はもちろん、生きて動いている者からも全く生命力を感じない。
絵画の中の世界というか、生垣とナメクジで完結している、といえば良いのか。
 アングルは低位置へ移る。ここに来て、私は自分の体の感覚を感じない。夢にはよくある、
視点だけの存在になっている。生垣の下だ。ここもナメクジで埋め尽くされているのだろうか。違った。セミだ。
セミの幼虫が数匹地上に出てうろうろしている。
現実によく見かける抜け殻と違って眼球が黒く、茶色い殻の中か
らは単純な構造の内臓が透けて見える。手に取らずとも、なぜか重量感を感じた。しかし、
 やはり躍動感が無い。曇天、雨、生垣、迷路、閉塞感、水滴、泥水、ナメクジ、死体、絵画、セミの幼虫、内臓。
そろそろ気持ちが悪くなってきた。陰鬱に過ぎる。いったいこの世界はなんなのか。


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