07/06/26 22:13:25 sZ8v5H220
「仮免運転中」を着けようと思い、とどまる。
今日から俺は一人前の運転手だ。
仮免なんてもう使ってちゃいけねぇやな。
これからは常にアクセルを踏みこむか!
帰り道、公園のゴミ箱にブレーキペダルを捨てた。
足に食い込むアクセルが、気を引き締める。
畜生、また男気が溢れてしょうがねぇぜ・・・
辺りを見渡す。この先には広い国道がある。
武は真っ直ぐに国道に向かった。
人気のない国道、武はサイドミラーを折り、丁寧にたたむ。
六尺一丁になり、鞄の中から鉢巻を取り出して締める。
そして腹から大声を張り上げる。
「俺は初心者だ!免許とりたての初心者だ! 男一匹、根性根性ど根性!」
そしてその場でアクセルを踏み始める。
「ブォン!ブォン!ブォン!」
足底がアクセルを踏みしめるたび、押忍と声を張り上げる。
やり場のない初心者の不安感を、エンジンの鍛錬で発散させる。
「ブォン!ブォン!ブォン!」
マフラーから黒煙が噴き出しては零れ落ち、車体の下の土の色を変えていく。
六尺も鉢巻も冷や汗でびしょ濡れになってくる。
「くそ!きついな」
隆起し過ぎ、前袋を突き破らんばかりの男根を見て言う。
そして、運転席からハンドルとサイドブレーキを引っこ抜いた。
赤黒くなった竿は汗と我慢汁で光っている。
「よっしゃ、楽になった」
そして再びアクセルを踏み始める。
誰もいない森に、武がアクセルを踏む音とホイールスピンと叫び声が延々と響き渡った。