07/04/05 03:20:42 y9PWKDuA0
こんな夜更けに、闇と風の中に馬を走らせるのは誰だろう。
それは父と子だ。父はおびえる子をひしと抱きかかえている。
父 「しかし・・・息子が顔を隠しているのはなぜだろう?でもある種の美意識が感じられる・・・」
子 「お父さんには魔王が見えないの。かんむりをかぶって、長い衣を着ている・・・」
父 「あれはたなびく霧だ・・・しかし魔王とたなびく霧はえらい違いだな。俺みたいな個人商人と若き大女優ぐらいに・・・ふふっ」
魔王 「かわいい坊や、一緒においで。面白い遊びをしよう。岸辺にはきれいな花が咲いているし、金の服を私の母さんがたくさん用意して待っているよ。」
子 「お父さん、お父さん!きこえないの。魔王がぼくになにかいうよ。」
父 「そうか・・・まずいな。この席は魔王の声が届きにくいんだな」
魔王 「いい子だ、私と一緒に行こう。私の娘たちがもてなすよ。お前をここちよくゆすぶり、踊り、歌うのだ。」
子 「お父さん、お父さん!見えないの、あの暗いところに魔王の娘が!」
父 「トホホ、渚ゆう子・・・か」
魔王「愛しているよ、坊や。お前の美しい姿がたまらない。力づくでもつれてゆく!」
子 「おとうさん、おとうさん!魔王がぼくをつかまえる!魔王がぼくをひどい目にあわせる!」
父親はぎょっとして、馬を全力で走らせた。あえぐ子供を両腕に抱え
∧_∧
( ゚∀゚,)
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( ̄ `i ,''| .| と⌒i ゝ 〉
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n/´___ _/ ,ノ ノ,ゝ ,,
'ーt'´ _/ ) ヽ__ ノ がああああ!!
し'' ̄ ∨ ̄
腕に抱えられた子はすでに死んでいた。