07/01/19 21:26:44 ufT+hjhf0
とある日の午後、食欲に誘われて、俺はいつもの公園に向かった。
そこは一部の奴らには食用釣り場として有名な場所だ。
到着するなり、俺の眼は野獣と化し、獲物を物色し始める。
いた!池の中でゆっくり泳いでいる、ムチムチのフナ野郎を発見。
体長はそんなに長くなさそうだが、尾びれに彫りの深い鱗、
何より水面から覗く極太の体が食欲をそそる。
たっぷりとした筋肉の上に、うっすらと滑らかな脂肪の層が乗っているのがたまらねえ。
よし、今日はあいつにしよう。そう決めて釣ろうと近づいていったその時だった。
(ごめんごめん、遅刻しちゃったね)
そう行ったような気がしてそいつに近づいていったのは鯉だった。
赤と白のからだ、普通に煮込むと美味しそうだが、興味ねえ。
そのままその鯉はフナ野郎と泳いでどこかへ行ってしまった。
畜生、逃げられた。何てこったい。
結局その日は他に小エビしか見つからず、失意のまま公園を後にした。