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イタリアのサッカー選手を夢見る孤児たちを育てる団体に、カカが
サッカーボールを送ったことがあった。
それも、200個ものボールを。 子供たちは、とても喜んだ。
しばらくして、やはりJリーグが同団体にボールを寄付することになった。
エージェントが現地へ赴き、少年たちにボールを渡す。
少年たちはやはり喜んだが、渡されたスポルディングのボールを見て
「スポルディングではなくて、メーカーは『カカ』が良かった。」
「『カカ』のボールはとても使いやすかった」
と口々に言う。
Jリーグのエージェントは首をひねった。カカ?そんなメーカーがあっただろうか。
「これだ」と、手渡されたボロボロのボールを見てエージェントは驚いた。
すでにかすれてしまっているものの、ボールにははっきりとサインペンで
「夢をあきらめるな カカ」
と、現地の言葉で記した跡があった。
200個ものボール全てにカカは自筆のメッセージとサインを入れ、
それを子供たちは「カカ」というメーカーのボールであると思い込んでいたのだ。