06/11/19 13:46:22 IPigUVil0
「一発やっかぁ」
店を出ると、縦じわでよれよれの一張羅を整えた。不思議のダンジョンの前に立ち股を開く。
既に新店舗建設に取り掛かり、俺の家族は俺の帰還を待つ。
くまなく歩き回ると、部屋の隅っこに、階段がそこにあった。
「俺の大きいパン一個の冒険だぜ」声に出していう。
「男はやっぱダンジョン」
やおら部屋の脇から、放置状態の正義のソロバンとはぐれメタルの盾を拾い上げ、手に草をたっぷり取り、逆手で巻物をこね回す、
「カチッ、カチッ」装備音が俺の戦闘中枢を更に刺激する。
「冒険たまんねぇ」動きに合わせて、ピザ体型を上下させる。
「男の冒険にゃあこれだよ」まどわし草を吸い込む。
「♪ピロロロ、テロテロテロンッ」顔から熱くなり、やがて物が正しく見えなくなる。
「落とし穴、地雷」「不思議のダンジョン」
くさった死体をみて盾を外す。俺は自分のこの格好が好きだ。
聖域の巻物だけが床に残り、すばしっこいはぐれメタルを追いまわして、分裂の杖を振り、一匹ずつ潰していき、しあわせの種でガンガンとレベルを上げる。
穴ぐらの中のの俺は、世界一の商人になっていた。
「ちきしょうネネに見せてやりテェよ」最高潮が近付くと、いつもそう思った。まどわし草をもう一度効かせ、パンを追加すると、しあわせの箱へ向かって
まっしぐらだ。
「店をでかくしてやる」「大きいパン一本のほんまもんの商人」
「うりゃ、そりゃ」「ズリュッ、ブチュッ」血しぶきを飛ばしながら、27階をめざす。
「たまんねぇよ」胃袋の奥から、激しいうねりが起こった。やがて腹ペコとなり、俺を悩ます。
-リレミトの巻物使いてぇ- -パン探してぇ-相反する気持ちがせめぎあい、俺は崖っ淵に立つ。
「きたっ」俺は膝を直角に曲げ、敵に備える。奔流は堰を切ろうとしていた。
「爆弾岩二匹 ! 」「どどーんっ、どどーん」
爆風を押し分けて、白い肉塊がしゃくり出される。
真っ白い時間が過ぎ、目の前が店の中に戻る。