06/11/17 23:55:54 q943qkKv0
「もうちょっと我慢してやろうじゃねぇか」
服の上から、腹をさする。手の平でなだめるように、ヘソの部分を擦った。
チリチリとした痛みに、ルームミラーの中の下痢野郎が顔を歪めた。
昨日は、深夜に飲酒し、腹の調子を壊した。そのまま朝を迎えて今に至る。
「今朝の渋滞最高だぜ」声に出す言葉で、自分を挑発する。
「車中腹痛一丁日本男児のガマンだぜ」「俺のこの男っぷり見てやってくれっ」
辛抱たまらなくなって、ハンドルを握り締める。額に冷や汗たっぷりで、肛門に力を込める。
「おうっ」頭の先から、直腸の根元へ、グルルルと稲妻が走る。
「スッ、スッ、スッ、スッ、ス-ッ」きつめに深呼吸決めたら、暫く呼吸を止める。
血圧が下がり、脳の中を<はいせつ>だけが、支配する。
「ピッ、ブスッ、ピスッ」ジリジリと信号を通過する度、くぐもったスカシ音が響いた。
先ほど来進み始めていた車列が、ギュッと交差点前方に停滞する。
苦痛の時間が引き延ばされ、括約筋がテカテカに突っ張る。逆手でハンドルを握ると、グリグリと回転させる。
「これが俺の通勤攻めだぜ」強い刺激に心が砕けそうになる。時計を見て現時刻を確認すると、一層感じる。
歯ぎしりを追加し、改めて腹痛を抑え込む。
「スッ、ス-ッ、スッ、ス-ッ」一旦目を閉じて波が引くのを待つ。
滴る程の冷や汗と、やけに進まない通勤ラッシュで、男入りまくり状態だ。
「ガマン、ガマン男のガマン」「車中一本男のガマン」
言葉が限界を呼び、刺激が直腸をくすぐる。
「プスッ」軽く屁が漏れる。蟹股でブレーキを踏み込む、
「ス-ッ」臭気が溢れ、どうしようもなくなってくる。
「ピス-ッ」反り返り脈打つ便意を、渾身の力を込めて封じる。
「たまんねぇ、勘弁してくれ」
「パスッ、ス-ッ」
「きたぜ、くるぜっ」
<中腰>の体制で、備えた。押し寄せる便意は、もはや放屁で軽減するしかない。
「おりゃっ放屁一発」
いつもの決め言葉で、ガス噴出が始まる。その回数に合わせ腰を振った。
やがて尻間で核融合が起き、ブリブリと嫌な音を聞く。
次第に何か温かい感触が伝わってくる。現実は次第に我輩の意識を痺れさせた。