06/11/14 18:12:44 FgbYziwdO
とある休日の午後、胸の高鳴りに誘われて、私はいつもの公園に向かった。
到着するなり、私の眼は野獣と化し、獲物を物色し始める。
いた!池のほとりのベンチに腰掛け本を読んでいる、ガチムチ筋肉野郎を発見。
……私はそのガチムチ野郎の顔に見覚えがあった。
先日、丁度この公園、このベンチで彼氏と待ち合わせをしていた奴だ。
その男のせいで、私は雄野郎を取り逃がしてしまったんだ。
ホモじゃしょうがないな、他を当たろうとも思った。
しかし、あの全身から発せられる「男性フェロモン」には抗い難い。
それに、万が一バイである可能性もある。
よし、行くわ!私は一大決心をし、ガチムチ野郎に声を掛けた。
「ね、ねえ。いい体してるわね。わ、わ、私と熱い一夜の契り交わしてみない?」
ホモと分かってる奴に声を掛けるのは初めてで、不覚にも声が震えた。
「いいぜ。実は俺はバイなんだ。俺のすげぇマラでヒィヒィよがらせてやるよ。」
私の妄想では、ガチムチ野郎はこう言う筈だった。しかし、現実は甘くない。
「なんなんですかあなた。気持ち悪い。警察呼びますよ。」
やはり駄目だったか……。雄野郎は私を睨みつけると、どこかへ行ってしまった。
胸に広がる痛みと、もやもやした得体の知れない感情に耐えながら、私は思った。
そうか、私は一時のアバンチュールが欲しかったんじゃない。
私はあのガチムチ兄貴に恋をしていた……そして失恋したんだ、と。
まだ私自身無垢な少女だった頃を思い出し、私の目から涙が溢れた。