06/11/12 19:47:41 I5kSwD/m0
「バイトに行くかぁ」
厚手のコートを着込むと、縦じわでよれよれのコートを整えた。鏡の前に立ち股を開く。
既にPS3は店頭に並び、俺の警備棒は俺の愛撫を待つ。
身体を横にして周囲に視線をに移すと、道を挟んで行列がそこにあった。
「俺の警棒一本の警備だぜ」声に出していう。
「男はやっぱ警備」
やおら前袋の脇から、ズルムケ状態の仮性包茎警棒を取り出す、手にオイルをたっぷり取り、逆手で亀頭をこね回す、
「PS3、PS3」転売ヤーの殺気立った声が俺の警備中枢を更に刺激する。
「警備たまんねぇ」扱きに合わせて、身体を上下させる。
「男の警備にゃあこれだよ」ラッシュを吸い込む。
「スッ、スッ、スッ、スッ」顔から熱くなり、やがて頭の中が真っ白になる。
「PS3、PS3」「転売すればもう一台」
頃合いをみて客に目を光らせる。俺は自分のこの格好が好きだ。
黒い警棒だけがはらに残り、ぶらぶらの浮浪者をバックに、前垂れ垂らして、腰を振り、左手で整列用の紐を引っ張り、右手でヌルヌルと警棒を扱く。
電気屋の前の俺は、日本一の伊達男になっていた。
「ちきしょう俺もPS3欲しいよ」最高潮が近付くと、いつもそう思った。ラッシュをもう一度効かせ、オイルを追加すると、PS3へ向かってまっしぐらだ。
「男になってやる」「警棒一本のほんまもんの強盗」
「うりゃ、そりゃ」「ボキッ、グチャッ」鮮血を飛ばしながら、PS3をめざす。
「たまんねぇよ」脳味噌の奥から、激しいうねりが起こった。やがて奔流となり、俺を悩ます。
-PS3で遊びてぇ- -捕まりたくねぇ-相反する気持ちがせめぎあい、俺は崖っ淵に立つ。
「きたっ」俺は膝を直角に曲げ、それに備える。奔流は堰を切ろうとしていた。
「PS3! 」「物売るレベルじゃねーよ!」
客を押し分けて、警察が侵入してくる。
真っ白い時間が過ぎ、目の前が現実に戻る。