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825 名前: おさかなくわえた名無しさん [sage] 投稿日: 2006/08/25(金) 16:53:58 ID:7R/uiFG7
高2の時の話。
台風直撃の中、ずぶ濡れになって帰宅。高熱を出し肺炎併発、翌日即入院。
2日間点滴に縛られ、3日目ようやく点滴棒から解放されトイレへ。
向かう途中の個室から『だれかぁ~・・・』と呼ぶ声が。
すれ違った看護婦に「呼んでますけど?」言ったら『あのおばぁちゃんはいつもだから。気にするな』と。
次にトイレに向かった時も、まだ呼んでいた。
回りにあの看護婦が居ない事を確かめて、おそるおそる部屋へ入った。
「おばぁちゃん、どうしたの?」 『こっち来ておくれ・・・』
傍に寄った私の腕を物凄い力で握り締め
『おんぶしてくれぇ・・・この部屋から出してくれぇ・・・』と涙を流しながら訴えて来た。
「おばぁちゃん、私チビだからおんぶ出来ないよ」と言っても『じゃあ~少しの間でいいから』と。
「うん・・・」と返事をした途端、力を振り絞るかの様に上体を起こし、私の背中にしがみ付いて来た。
この時初めて「ベッドから落としてしまったらどうしよう?」と恐怖心にかられた。
そこをあの看護婦に発見された。
『なーにやってんの!!○○さん!!誰彼構わずにおんぶをせがむのは止めなさい!!
あなたも病人のくせに、いらん事するんじゃーない!!』物凄い剣幕で怒鳴られた。
見つけられて一瞬ホッとしてしまった。が、おばあちゃんに「ごめんね・・・」と言うと
『あぁ~、おんぶしてくれようとしたのは、あんたが初めてだったよ。
ありがとうねぇ~・・・叱られちゃって、ごめんねぇ~・・・』と。
翌朝、個室はもぬけの殻だった。
違う看護婦に聞いたら『あぁ。あのおばあちゃん、昨夜遅く亡くなられたのよ』と。
急いでベッドに潜り込み、声を殺して大泣きした。
「こんな事なら無理をしてでも、おんぶしてあげれば良かった・・・」と。
介護の「か」の字も無い時代。
あの時の後悔と自責の念を忘れずにヘルパーをしてる今の私が居るのは
あのおばあちゃんのお蔭だ。 思い出すと今でも胸が痛くなるが・・・