06/05/23 00:17:21 dI+h3Lcm0
ここは、王都ハイムの庭園。
大神官モルーバの四人娘が、家庭教師の午前の授業を終えて、庭へ現れました。
長女・セリエは17歳。
「私、教団の辻説法に出ることになったの。
初めてだもの、なんだか緊張するわ」
次女、シェリーは13歳、乱暴で少し言葉遣いに問題があります。
「あら、姉さんなら平気よ。
いつも偉そうに教えてくれてるじゃない」
そして、末っ子のオリビアはまだ7歳。
「でも、たくさんの人が聞いてるのよね?
うわぁ、考えただけで緊張しちゃう」
そして、そのオリビアが一番気になっているのが……
「待って姉さん!芝生に入っちゃダメだ!
モルーバ様に叱られるのは僕なんだぞ!」
「ここを追い出されたら、のたれ死ぬしかないんだぞ!!」
牧師プランシーの息子で幼馴染の、デニム・モウン7歳。
オリビアとの間には、越えがたい身分の違いがあります。
だけど、彼のことを思うと、胸のときめきが止まりません。
『ああ、このときめき!
誰にも言えないこの胸のときめき!
どう説明すればいいのかしら!?
そう、初めて水辺で溺れかけた時、初めてお父様から紹介されたあの時、
あの時のときめきを100くらいとすると…
そうね、このときめきは、……』
『200くらいかしら?
ああ、私のデニム、どうして私の胸をこんなに騒がせるの!?
このときめきが、300になって、500になって、1000になったら、その時、私はどうすればいいの!?
ああ、デニム、どうしてあなたは平民になんか生まれたの?
どうして私は神官家になんか生まれたの?』