06/10/05 22:23:51 QEV8zdVK0
新年に現代世界を論じるのであれば、まずは理念、価値、理想を語るべきところだろう。
だが私は正反対のことを試みたい。現在の国際関係を脅かしているのは理想の喪失ではなく、
理想を高く掲げ、自分の抱く理念を疑おうとしない態度であると考えるからだ。
(中略)
さらにいえば、憲法9条と絶対平和主義が展望を開くとも考えない。
一見すれば普遍主義的なこの主張は、日本の非武装化を世界平和の推進にすり替えた概念操作であって、
核抑止の受益者であるという日本の現実と奇怪な共存を続けてきたものに過ぎなかった。
他者の排除なしに平和があり得ないと信じ込む勢力を前に、戦力を放棄した世界を説いても意味はない。
むしろ、平和から理想の仮面を取り除くことが必要ではないか。
世界平和といえばユートピアのように響くだろうが、本来の平和とは戦争のない状態に過ぎない。
その平和を支えるのは、もちろん各国の武力による威嚇であるが、それに加えて、
互いの交渉、取引、妥協がなければこの散文的な平和を支えることはできない。
ユートピアでなく、現実としての平和を見直すことが理想主義から脱却する第一歩だろう。
URLリンク(www.asahi.com)
このような文章がわれらが朝日新聞に掲載されて良いのだろうか。
今こそ冷静な議論が求められる。