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【朝日新聞】米国と中国の協調あれば、両者の協調が形を伴ってくれば、春霞は消えて初夏の青空が広がるだろう。
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米中会談 試される「利害共有者」
ホワイトハウスを包む柔らかな春の日差しが、ここにも影響したのだろうか。
ブッシュ大統領と胡錦涛国家主席との米中首脳会談は、穏やかながらも、
その具体的な成果となるとぼやけたままで終わった。
世界が注目したのは、イランや北朝鮮の核開発への姿勢だった。会談後の会見で、
大統領は両国に強い影響力を持つ中国が積極的に関与するよう求めた。
米国の対中貿易での赤字が膨らみ、米政府や議会の神経を逆なでしている。
主席は「米国が不均衡や知的財産権の保護、市場参入について懸念を抱いていることは理解している」と
語った。だが、その背後にある人民元問題では、すでに為替改革に乗り出しているとして、
「努力の継続」を約束するにとどまった。
ホワイトハウスでは国賓に準ずる扱いを受け、ブッシュ大統領からは「台湾の独立を支持しない」という一言を引き出した。
その巧みさはさすがだが、すべてに政府の統制が効くとは限らないのが民主主義である。
ホワイトハウスの歓迎式典では、報道陣にまぎれこんだ気功集団「法輪功」の関係者が
主席の演説を妨害する一幕があった。首脳同士でうまく話をつけたつもりでも、
米議会が人民元の切り上げを迫ったり、イランや北朝鮮問題で中国の「二枚舌」を
やり玉にあげたりする可能性もある。
中国がイランや北朝鮮に対して毅然(きぜん)とした姿勢を示すと、
世界の「ステークホルダー」としての存在感は高まる。
イラク戦争で「単独行動主義」の失敗を味わった米国と、国際的な地位を上げたい中国。
両者の協調が形を伴ってくれば、春霞(はるがすみ)は消えて初夏の青空が広がるだろう。
そう期待したい。
朝日新聞・社説
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