06/09/23 16:55:00 JDHCK1YJ0
「国旗や国歌に敬意を表するのは法律以前の問題だ」。東京都教委の国旗国歌強制
は違憲とした東京地裁判決に、こんな感想を述べたのは、誰あろう小泉首相である
▼さすが内外から批判を浴びた8・15靖国参拝を、「わが心の問題」として強行
した首相だ。思想信条の自由に関しては一貫している。ただし憲法は、総理大臣が
公務より私心を優先することまで想定しているとは思えないが
▼そもそも国民的コンセンサスをもって支えられなければ意味がない国旗国歌を、
法律で強制しようとするからこじれる。一九九九年の広島県立高校の校長自殺事件
をきっかけに、法制化に走った政府は、当初「個人に強制しない」と約束したはずだ
▼それを東京都教委が二〇〇三年十月、入学式、卒業式での国旗掲揚、国歌斉唱を
通達。教員管理の道具として踏み絵的に強制したからややこしくなる。従わない教員
を大量処分し、退職者の再雇用にも応じなかった。他府県に例を見ないこの強硬姿勢
を地裁判決は教育基本法、憲法に反すると厳しくとがめている
▼幕府が鎖国を解いた江戸の昔から、「日の丸」は万国公法(国際法)に則(のっと)
り海賊と区別するため、公海上で掲げられてきた。これを国旗とすることに異論を
挟む国民はいまい。一方「君が代」は一八七九(明治十二)年に、天皇礼式曲として
作られたもので、本来国歌ではない(松本健一『「日の丸・君が代」と日本』=論創社)
▼天皇が命じた戦争の思い出に結びつくと違和感を持つ人にまで、斉唱を強制する
ことはない。妥当な判決だ。
■ソース(東京新聞)
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
>一方「君が代」は一八七九(明治十二)年に、天皇礼式曲として作られたもので、本来国歌ではない