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【産経抄】平成18(2006)年9月18日[月]
スティーブ・クレモンスなる御仁によれば、小紙と古森義久記者が「言論を弾圧している」そうだ。
米ワシントン・ポスト紙に掲載された投稿文には、加藤紘一氏の実家が放火された事件などの
テロ行動をあおっているかのような記述まである。
▼靖国神社の参拝支持を「靖国カルト」と評するような偏った内容の英文論文が、公的機関
である日本国際問題研究所のホームページに掲載されたのが発端だった。古森記者がコラムで
指摘すると、研究所の理事長は「深く反省」して、論文の閲覧を停止、一件落着のはずだった。
▼クレモンス氏は「古森記者が理事長に対して謝罪を要求した」というが、コラムにそんな記述は
ない。要するにこの人は読んでいない。恐ろしいことに、こんなトンデモ論文でも、名の知れた新聞
に載ると、影響力を持ってしまう。
▼早速朝日新聞が、研究所の「過剰反応」が「問題化」していると報じていた。なんだか、昭和
57年の教科書誤報事件に端を発する一連の騒動を思いだす。日本では未公開の「白表紙本」
の内容が、なぜか中国や韓国に流出し、両国が日本政府に、特定の歴史教科書の検定不合格
を求めた問題もそのひとつ。
▼平成7年には、当時の江藤隆美総務庁長官のオフレコ発言が韓国紙で報道され、辞任に追い
込まれた。利用できそうな出来事があると、外国の政府や新聞に通報し、その威を借りて国内で
「問題化」するいつものパターン。今回、クレモンス氏に「ご注進」に及んだのはどこのだれか。コラムの
内容を正しく伝えなかったから始末に負えない。
▼古森記者はすぐ反論をポスト紙あてに送ったが、2週間たっても掲載されなかった。「言論の自由」
について考えさせられる対応である。
URLリンク(www.sankei.co.jp)
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