06/07/25 10:53:06 +g4MqSv10
【神戸新聞・正平調】2006年7月25日付
雨粒は、見えそうで見えない。秒速四、五メートルの速さで落ちてくるので、絵に描くなら、白い糸の
ようにしか表せない。しかし一つ一つは、もちろん粒である
◆ではどんな粒なのか、だれしも見てみたいものだ。そこで米国の気象学者ベントレーがかつて、こんな
方法を思いついた。小麦粉を広げた上に雨粒が落ちれば同じ大きさの粉粒ができるのでは、というアイ
デアである
◆実験の結果を彼がどう受け止めたか分からないが、想像以上に粒が小さいのに驚いたかもしれない。
雨粒の直径は、通常で一-二ミリ、大粒でも四ミリ程度だそうだ。落ちるときの空気抵抗で、大きい雨
粒も砕けてしまうから、地上に降るときはこのくらいの大きさだという
◆しかし最近の雨粒は、もっと大きいのではないか。そう思いたくもなる豪雨が各地で続く。降り始めから
の総雨量が一二〇〇ミリの地域まである。雨粒がさらに大きくならない限り、これほどの雨量にならない
だろうに、と勝手に思ってしまう
◆好ましい天候を「五風十雨」と呼ぶ。五日に一度穏やかな風が吹き、雨が十日に一度。農業に最適
の条件で、天下太平をもたらすという意味である。風はともかく、雨は「十雨」どころか「連雨」で、しかも
激しい。これでは「太平」もほど遠い
◆欧州や米国は熱波にあえいでいる。空に国境はないから、この異変は、どこかでつながっているかも
しれない。もしかして、私たちの気づかないうちに、雨粒にまで異変が及んでいないか。生来の心配性が、
さらに度を強めそうな夏だ。
----------
そう変な内容でもないのに、なんだろうこの既視感は。