05/11/24 00:16:26 FzonhiNW0
散歩しようと玄関を開けたところちょうど面している
道路の真ん中にブレザー姿の女子高生が一人立っていた。
やや赤く色づいた髪を肩まで垂らし、目鼻立ちも日本人
離れした美少女だったので私は立ち止まってしまった。
「なんだ君は」私は言った。
すると相手はいきなり仁王立ちになり「コマネチ!」
と叫んでビートたけしの往年のギャグを披露してみせた。
意味が分からないので佇んでいると「千円くれたらもう
一回してあげるよ」と言った。なんだ。ガキのお手軽な
小遣い稼ぎか。だとしたら得心が行く。だが私は子供の
頃はひょうきん族派ではなく全員集合派だったので「東
村山音頭だと幾らぐらいする?」と尋ねたら「んー、五
千円?」と答えられた。私は他には何があるのか訊いた。
「時代を先取りニューパワー!」と女子高生は言った。
「随分渋いな」と私は言った。
「前の客に手取り足取り教えてもらった」彼女はそう
言ってニヤリと笑ってみせた。「一万円でどう?」
「悪いがとっとと帰ってくれないか」
私がそう言うと彼女は懐からしゃもじを取り出し、
「突撃隣の晩ゴハン!!」と叫んで隣の家に突進した。