05/01/28 15:32:10 i8V3QN5W0
拓海「おれが最初、彼女をさそったんです。保険会社に務める友達に、彼女に
保険金が降りるよう手配させたんです。彼女、金に困ってましたから」
刑事「それで彼女と浮気しながら計画を練り、彼を海に呼び出して犯行に及ん
だんだな。その後口封じの為に彼女を殺したと」
拓海「めっそうもない!おれは彼女を本気で愛してた!
でも…彼女はあいつを愛してたんです、だからおれはあいつを消したかっただけ…」
刑事「海まで連れ出しナイフで刺殺、その後近くの船に遺体を結んで証拠を消した。
重石をつけて沈ませた遺体は当分の間見つからない。それが二人とも全く同じだ。
新聞やテレビには簡単な状況しか公表されない。
ここまで正確に同じ事件を起こせる人間がお前以外どこにいる?」
拓海「・・・・・・」
刑事「二度目の事件で唯一違ってたのは、彼女にささったままのナイフにお前の指紋がべ
ったりついてたことだ。その彼女はご丁寧に彼とおんなじ場所、つまり全く同じ船に結ばれて死ん
でいた。まるで『お前が犯人だ』とアピールしているようなもんだ。それにお前にはアリバイがない」
拓海「・・・・・・そのときおれは彼女と電話してました」
刑事は、携帯電話の履歴から、その時間話をした形跡の
ないことをわかっていた。偽証罪付き最低10年だな、などと考えながら刑事は煙草を机の下
へ投げ,すぐに踏んだ。薄い煙がすうっとまいあがり、二人の間を抜けると、嬉しそうに窓へ吸い込まれた。
刑事「それで、どんな話をしたんだ」
拓海「『たすけて・・・のろってやるって・・・私、彼に呪われるわ』って切れて・・・・」
やれやれ、と刑事はため息を付く。
刑事「もういいだろう‥続きはそのうち弁護士にでも話してくれ」
後に彼は9年服役し、刑務所内でその一生を閉じた。「いっそ殺してくれ」が彼の口癖だったという。
(これが…僕の復讐の全てだ。今僕は約束どおり彼女の傍で暮らしてる。海?そんな薄暗い場所じゃないさ)