06/10/31 00:17:19 QEe1G/9p0
81 59&60 04/10/07 04:35:13
>>60続き
ズレータが駆けつけてきた。
涙で顔をぐしゃぐしゃにしている松中を見て、困惑の表情を浮かべるズレータ。
「ズレータ、手伝ってくれ!この中にきっと小久保さんがいるんだよ!」
しゃくりあげながら早口でまくしたてる松中は、興奮で顔が真っ赤に上気している。
ズレータは松中の発する言葉が理解できなかった。(もう一度、ゆっくり言ってくれ)手と表情を精一杯駆使して、ズレータは訴えた。
「だから、小久保さんだよ!ドアが開かないんだ!」
しかし、ズレータはやはり理解できなかった。しかし目の前ではチームメイトが何かを必死で訴えている。顔が真っ赤だ。涙まで流している。
松中はきっと、何かとても悲しんでいるのだろう。でもそれが何なのかまでは分からない。言語の壁の厚さはどうしようもない。
ズレータに説明が通じない事を悟ったのか、松中はがっくりと肩を落として涙を流し続けている。ズレータは松中に対する申し訳なさでいっぱいになった。
絶え間なく松中の頬を伝う涙を、ズレータは手で拭ってやった。黒く、大きな手を松中の顔から離すと、ズレータはそのまま自分の頭へと手を持っていった。
プチ、と自分の毛を一本引き抜くズレータ。そしてその毛を松中の額にそっと置いた。かつては毛が生えていたであろう部分に。
「ソーリー、マツナカ。バーイ。」
ズレータは慈母のように優しく微笑み、去っていった。残された松中は呆然と立ち尽くしたままだ。そして新しい涙が再び頬を濡らした。