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“クセ者”本領、稲田がトドメ打
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元気者が、来季の定位置獲りへ猛アピールだ。
１１日のアジアシリーズ・チャイナスターズ戦に「７番・三塁」で先発出場した
日本ハム・稲田直人内野手（２７）が、５点リードの５回、ダメ押しの左中間タイムリー二塁打。
アジアシリーズ初打点に加え、同３戦連続安打をマークした。
三塁はマシーアスが自由契約となったものの、腰痛から復帰した木元らと争う激戦区。課題の打撃に磨きをかけ、１軍完全定着を狙う。
稲田が“くせ者”の本領を発揮した。５回だ。１死後にチャイナの３番手・陳韋から木元が中前打を放って出塁。
続く稲田は初球の外角寄りの低め直球を、逆らわずバットに乗せる。
低い弾道、速い球足で左中間を抜き、楽々と二塁へ達した。前の打席で、この試合でチーム唯一となる三振を喫した借りを返した。
「全然タイミングが合っていなくて（体重移動を）遅らせつつ、前でさばくイメージで打った。
来年？そこまではまだ考えていない。その前にあす（決勝）ですから」
広陵―駒大―ＪＦＥ西日本を経て３年目。背水の決意で臨んだ今季、６月に１軍デビューを果たすと、
随所にアマ時代の名門で修羅場をくぐった勝負強さを発揮した。
レギュラーシーズン１位通過の懸かった９月２６日ソフトバンク戦（札幌ドーム）では、斉藤和からの２安打を含む猛打賞。
先月２６日の日本シリーズ第５戦（同）では川上から二塁打を放ち、同点のきっかけをつくった。
底抜けに明るい性格でチームに欠かせないムードメーカーになりつつある。
９月２０日に自宅のある千葉で恵夫人が長女・愛輝（あいら）ちゃんを出産したため、
日本シリーズを観戦できなかったが「おかしいな～、ちゃんと計画したつもりだったんだけどな」と報道陣を笑わせた。
土壇場での集中力と勝負度胸は十分に備わっており、今後求められるのは打撃の確実性。
「このままでいい訳はない。足りないところは分かっていますんで」。意外性とは呼ばれなくなった頃、定位置が手中となるはずだ。