一億円プレイヤーバトルロワイヤル第二章at BASE
一億円プレイヤーバトルロワイヤル第二章 - 暇つぶし2ch70:代打名無し@実況は実況板で
05/10/12 22:21:38 mQ3xwYsu0
『真後ろの声』

(ふざっけんじゃねぇぞ)
 谷繁元信(D27)は、繁みに隠れながら胸中呟いた。
 ゲートを出た瞬間、ダッシュで脇の繁みに飛び込こんだ谷繁は、すぐさま与えら
れたデイバッグの中身を乱暴にぶちまけ、中身を確認した。
 おおよそ、内容は最初の説明で言われた通りだった。当面必要のない飲料水や
食料は手早く片付け、紙切れを拾い上げる。
 四つ折りにされたそれを広げると、地図と参加者の名簿だった。ご丁寧に年俸
ランキングまで記載されている。
 真っ先に自分のチームの欄を見た。どうやら合計年俸順に記載されているようだが、
中日は三番目だった。意外なのか、こんなものなのか。こんなものだろう。
 背番号順ならば、顔は見ていないが先程出て行ったのは山本昌だろう。次は野口か。
 年俸1億80万。80万? 何だこの中途半端な数字は。
 そういえば去就が注目され、年俸大幅ダウンで条件を飲めば残留だのなんだの騒
ぎになっていたな、と思い出す。
 たった80万の差で天国と地獄だ。もっとも、状況は同じである谷繁にそれを哀
れんでやる余裕などないが。
 バッグから転がり出てきた大型の調理用包丁を拾い上げ、谷繁はごそごそと自分
の座る位置を確認した。谷繁が今いるのは、自分が出てきたゲートの右手の繁み。
 谷繁から見て斜め左前方に佇むゲート。そこから、見慣れた人影がふらふらと出
てくる。
 野口茂樹(D47)だった。
 谷繁は右手に握った包丁の柄を強く握り直した。扱いにくいが、とりあえず、人
は殺せる武器だ。
(ふざけんじゃねぇ、俺は生きる)
 こんなくだらない殺人ゲームで命を落とすつもりはない。
 なんとしてでも、生き残る。
 帽子を目深にかぶり、俯いたまま歩く野口から、その表情は読みとれなかった。
誰が待ち受けているとも知らない(といっても今こちらのゲートか出てきた人間など
限られているが)ゲート入り口前を、こんなにもゆっくりと歩いていていいのだろう
か。それはえらく無防備な行動な気がした。


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