05/08/10 18:07:49 FfVQi/MG0
いつものように、平然とした表情で中日・岩瀬仁紀投手(30)は、グラウンドに姿を現した。
「疲れ?1日休んだくらいじゃ取れないよ。もう疲れを取るとか言ってる時期じゃないでしょ。
みんな疲れてる。その中で戦っているんです」
41試合で失点わずかに4、救援失敗も1試合だけだった男が、7日の横浜戦では4安打を
浴びせられ、3点のリードを吐き出してしまった。浜松のヤクルト戦、翌日には横浜に移動して、
そのまま横浜戦でも3戦を投げての4連投だった。
「疲れを言い訳にはしたくない。打たれた自分が悪い。ただ長いシーズンにはこういうことが
あるんです。打たれることは仕方ない。それをどう切り替えて、引きずらないか。それだけ」
肉体的にも、精神的にも、今が岩瀬の疲労のピークなのかもしれない。苦しい時、守護神が
思い浮かべる苦い思い出がある。昨年の春、開幕直前に岩瀬は左足中指を骨折してしまった。
自宅風呂での転倒という不注意だった。軸足に痛みが残る状態で、それでも岩瀬は1軍の
マウンドに上がり続けた。実質的に押さえを任された初めての年だった。体重をかけただけ
痛みが走るのだから当然、打たれる。
4月のある試合のことだった。ナゴヤドームの場内アナウンスで「岩瀬」の名がコールされた時、
拍手ではなくざわめきがおこった。球場に覆った「岩瀬で大丈夫なのか?」というムードが、
背番号13の心に突き刺さった。
「怒りというより、(けがをした)自分で自分が情けなかった。これまで積み上げてきた
ファンとの信頼関係が、このけがでなくなってしまったようで、あの時は本当につらかった。
力を出し切れなかったあの時のつらさを思えば、どんなことも乗り越えられる」と言い切る。
押さえに転向して2年目。敵は疲労だけ。鉄腕は再びファンとのきずなを求めて
投げ続ける。 (05年8月10日・大本営)