05/06/06 22:52:45 0
「ホントにあの男が言ったのかい?」
「・・・・・」
「○○!!」
「あ、ああ・・・ホントだよ」
「お母さんは・・・お父さんと一緒に暮らしたくないの?」
「・・・あの男と一緒に暮らす?・・・・冗談じゃないわよ!!」
「親父はマジなんだ!今の仕事を辞めて、もう1度やり直したいって・・・」
「何が『今の仕事を辞めて、もう1度やり直したい』よ・・・その台詞、もう何度目よ?」
「・・・・・・」
「そう言う事はね、ちゃんと辞めてから言いなさいよね!」
「・・・・・辞めたら・・・もう1度、親父とやり直してくれるのか?」
「そ、そんな事・・・・辞めてからじゃないとわからないわよ!」
「・・・・そうか」
「ちょっ、ちょっと○○、どこ行くのよ?」
「・・・ちょっとそこまで」
そう言って俺は家を飛び出した。
向かった場所は美貴が住んでるアパート。
もしかしたら、また親父が来てるかもしれないと思ったから。
とりあえず、親父が今の仕事を辞めないと先には進めない。
だから、早いとこ親父に会って仕事を辞めてもらう必要があった。
俺はまだ気付いていなかった。
俺の導き出した『答え』にある迷いが少しずつ消えかかっている事に。