08/03/27 12:18:38 5prxbJb2
スレリンク(candy板)
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***同基地内・長距離通信室***
タイラー(そうか)
シナプスからの報告を聞いても、長距離通信スクリーンのタイラーの表情には、
特に大きな変化は現れなかった。
タイラー(君も大変だね、シナプス大佐)
シナプス「認めたくはありませんが、全くその通りです。これで計画は、
大きく修正を余儀なくされました」
タイラー(地球教徒もホントにごくろーさんなことだ)
シナプス「この世に狂信者ほど始末に悪いものはありません。何しろ自分が正しいと、
信じてやっている事なのですから……。連中は自らの死も辞さず、
破壊工作を敢行してきます」
タイラー(本当に許せないのは、信者を上で操ってる連中だけどね)
シナプス「とりあえず警備を倍に増やしました。しかし、作業員の数が減った上、
みんなすっかり怯えていまして……」
タイラー(作業が、滞る……か)
シナプス「はい。深刻な問題です」
タイラー(こうなってみると会議の決裂で、ラアルゴン側の科学者が
ごっそり抜けたのは痛かったな)
シナプス「過ぎた事を今更どうのこうの言っても、仕方がありません」
タイラー(いや、諦めてはいけない。最後まで努力すべきだ。
あのラアルゴンの技術長官……)
シナプス「セトラ博士のことですか?」
タイラー(そう、セトラ。あの頑固じじいだ。あれを今からでも説得してみよう)
シナプス「閣下自ら、ですか?」
タイラー(そうだ。当たって砕けろだ)
シナプス「しかし……」
タイラー(なぁ~に、どうせ僕は暇なんだよ。大統領と言ったって、実際の実務は
ユリコとカシム補佐官と宗方君がぜ~んぶやってくれているからね)
シナプス「ですが、あのセトラがはたして説得に応じるでしょうか?」
タイラー(応じてもらわねば、困る。逆にセトラさえ説得すれば、
他のラアルゴンの学者はなんとかなりそうだ。あのじいさんが
ラアルゴンの学会を牛耳っているのは明白だからね。
皆、セトラに遠慮しているだけだ)
シナプス「なるほど」
タイラー(セトラも人間だ。ちょっと片意地を張っているだけさ。
僕が直接行って、誠心誠意説得してみよう)
シナプス「お願いします」