07/11/10 23:57:58 mdtbi//V
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メルカッツ「身に余る光栄ながら、辞退させていただきとう存じます」
ラインハルト「なぜだ?」
メルカッツ「私は、亡きヤン・ウェンリー提督に多大な恩義がございます。
まずは受けた恩義を、ヤン提督の遺志を今も受け継ぐ人々に対して
少しずつでも返していかなければなりません。そして、それが終わりました後は……」
ラインハルト「…エルウィン・ヨーゼフ2世のことか?」
エルウィン・ヨーゼフ2世とは、旧ゴールデンバウム王朝の第37代皇帝で、
僅か5歳で皇帝に即位し、ゴールデンバウム王朝がローエングラム王朝に交代する過程で、
門閥貴族の争いに巻き込まれ、その後は行方不明になっていた…。
ラインハルト「…しかし、エルウィン・ヨーゼフの件は、必ずしも卿の責任ではあるまい」
メルカッツ「当時、幼いエルウィン・ヨーゼフ陛下を保護するべき周囲の人々が、
まだ充分な判断力も具えておいでではなかった幼君を私利私欲の為に
自分達の権力闘争に巻き込んだことを、私は止めることができませんでした。
無論、ゴールデンバウム王朝の復活など今更望むべくもございませんが、
私としては、せめてエルウィン・ヨーゼフ陛下には一市民として平穏な生活を送っていただきたいのです…」
ラインハルト「わかった。卿の意思は固いようだな。だが汎銀河共和国との同盟が
成立した以上、卿はもはや罪人ではない。たまにはオーディンへと帰り家族に元気な顔を見せてやれ…」
メルカッツ「…重ね重ねのご配慮、痛み入ります」
シュトライト「陛下、そろそろお時間でございます。お支度を…」
ラインハルト「うむ…」