08/05/27 17:21:41 0
>>97
「ご無事ですか、煌神リンさん!」
先ほど逢った金髪の女性が私の背後に居る、煌神リンと言うらしい女性に駆け寄る。
阻止しようと思えば出来たが、宿をくれた池上ならともかく、私に後ろの奴らを守る義務はない。
第一、そのようなことをすれば私がやられるかもしれないのだ。
「私は、ある人に依頼されたんです。煌神リンさんを保護して欲しい、と。
それで、こうして近くで見張っていたわけなんですが――申し訳ありません。
結局、ミサイルに反応も出来ず、家からの脱出も手伝えませんでした」
「お久しぶりです、籐堂院瑞穂さん。といっても、貴方は覚えていないでしょうが。
――あなたの父、籐堂院神が作り上げた、反機関組織。私はかつて、そこで下っ端をやっていましてね。
組織は既に壊滅してしまいましたが、いわゆる残党はいた、ということです」
知り合いか?
その割には先ほど逢ったときは何も声をかけてこなかった、私と師匠の名前を知っているとなるともしかすると『機関』の人間かもしれない。
「本当に申し訳ありません。自力で脱出できていたのは幸いです。
――相手は機関の幹部、ファーストナンバーです。どうやら消耗している様子ですし、ここは逃げてください」
しかも、レオーネの事を知っている、別に『機関』の人間でなくても知っている可能性は十分あるが、怪しいことには変わりない。
と、いきなり女性は煌神リンを殴り、既に体勢を立て直したレオーネの背後に跳躍する、速い、並みの人間の速度ではない、というか私よりも速いかもしれない。
「依頼は完了しましたよ、レオーネさん。
――とはいえ、持ち帰るにはまだ仕事をしなきゃいけないようですが」
「私は私の仕事をこなしたんですから、貴方の仕事ぶりも見せてもらいますよ」
やはり『機関』の人間だったようだな、だがこちらの戦いに干渉する気はないらしい、好都合だ。
「お前が敵だろうと私には関係ない、『機関』の関係者は殲滅する、それだけだ
こちらから行くぞ『剣神憑依』」
私は刀を高く掲げる、すると刀は仄かな光を発する、やがてその光は私の体の中に取り込まれる。
この技は、この天之尾羽張に封じてある神を私に憑依させ、身体能力の底上げをはかるものだ。
そして私は静かに目を閉じる、レオーネと戦う場合目を開けて戦うのは危険だ、以前の戦いで私はそれを学んだ。
身体能力が増加している今なら、能力無しのレオーネくらい目を閉じていても倒せるはずだ。
「お前の能力は封殺したぞ、レオーネ、では今度こそこの前の決着をつけよう」
私は駆け出し、レオーネに素早く斬りかかる。
【籐堂院瑞穂:目を閉じレオーネに斬りかかる】