08/05/26 23:04:58 0
>>78
男は機関のナンバー2、ツバサ=ライマースと名乗った。
……機関……機関か。
桜を洗脳し、七重を襲わせたあの機関か。普段の俺なら激昂しツバサに飛び掛かっていた事だろう。
しかし、今の俺は本当に落ち着いている。これも全て、漆黒の心のおかげだ。
俺は心の底から、この心の伝授してくれた師匠に感謝した。
>「あぁ、警戒しないでくれ俺はただ妹の様子が気になっただけなんだぜ?」
……兄、か。アニキは今、何処で何をしている事やら……
ツバサがリンの兄だと知るやいなや、桜が少しだけ……本当に少しだけだが、警戒を解く。
やはりリンの兄というより、自分を誘拐した組織の人間というのが大きいのだろう。
桜は自らの名前を名乗り、少しずつ……少しずつ、自分の知ってる限りのリンの事を喋り始めた。
もちろん自らを機関の人間だ名乗ってる人間を、そう簡単に信用するわけにはいかない。
しかし……この男からは敵意を感じない。今だけは、ほんの少しだけ信じておこう。
>「さて、これで俺の目的は終了だが…ふぅむ・・・お前、俺と戦ってみないか?
大丈夫だ、その女は巻き込まない機関の幹部にどれだけ通用するか試してみたくはないか?
もちろん二人でもいいぞ?そこの男とな…」
なるほどね、いわゆる模擬戦と言うわけか。
確かに自分の力が、機関にどこまで通用するか試してみたい。
しかも、この男は自らを幹部だと名乗っている。
先ほど名乗ったナンバーが本当なら…トップレベル、幹部の中でも指折りということになる。
そんな相手と戦えるチャンスなど、滅多に無い。この千載一遇のチャンス、逃すわけにはいかないか。
「……分かった。言ってるとおり、桜に手を出さないというのなら戦ってみよう。
俺自身も、自分の腕がどれほど通用するか試してみたい」
俺はツバサにそう返すと、援軍に来た男に向き直りこうつげた。
もちろん、自らの未熟さは分かっている。
しかし、スピードだけなら誰にも負けない自信がある。
そこを利用し、敵の虚をつけば勝機は見えてくるかもしれない。
「さて、俺はツバサと戦ってみるけどどうするんだい?
言うとおり、2対1のハンディキャップを仕掛けるか?それとも、一人ずつぶつかるか?」
相変わらずの漆黒の心状態の故、冷たい瞳を男に向けて提案を持ちかけた。
【廻間:ツバサの提案に了承の意を示し、文月にどうするのか問う。桜は戦闘時には距離をとります】