08/05/26 22:39:44 0
>>70
やはりF-15Eは良い機体だ。加速、操作性全て申し分ない。
耐Gスーツを着用していないが何も問題ない。
常人ならGに耐えかねてブラックアウトしてるだろうが、
機関の鍛え方は通常の軍隊の鍛え方とは違う。
出来なければ、待つのは解雇ではなく死なのだから……。
それに、私とて機関の幹部だ。
身体強化系の能力者に一歩及ばずともこれ位は出来る。
しかし、ここに来てようやく思い出す。肝心要の事を……。
――場所を聞いていなかった。
しまった、何たる失態! どうする!? 聞きに戻るか!?
そこで、また思い出す。『機連送』の存在を……。
片手で取り出すと、急いで本部に連絡を入れる。
「私だ。煌神リンが最後に目撃されたのは何処だ?」
平常心を保ちながら、冷静に問い掛ける。
これではカッコが付かないが、聞かなかった私が悪いのだ。
そんな私に親切丁寧に教えてくれた連絡員には、昇格という褒美を与えてやろう。
聞いてきた事に多少驚いていたようだが……。
涙のナイトフライトに成らずに済んだのは幸いだ。
ついで……という訳ではないが、
連絡員が小村から聞かされたハーケンの携帯電話の番号も教えられた。
スロットルを更に上げると、聞かされた場所へと方向を変えた。
機体を平行に保つと、『機連送』を使ってハーケンに連絡を入れる。
「君がハーケン? アルト・ハーケン君か?」
声の質からして十代後半から二十代前半といった所か。
慇懃な喋り方をした女だ、これが彼女への第一感想だった。
「間もなく近くで花火が上がる。何、場所は直ぐに判る。
君も参加するのだろう? デートには遅れないで来て欲しいものだ」
これだけ伝えれば十分だ。私は電話を切った。
全ての準備は整った。後は異能者の反応を頼りにするだけ。
――流石に戦闘機は早い。機関本部から物の数分で到着した。
速度と高度を下げて見てみるが、それらしい人影は見当たらない。
少々不機嫌な気分になっていると、不意に感覚が鋭くなる。
どうやら発信源は、他の住宅よりも豪奢な建物の中からのようだ。
協力者の家か、それとも潜伏先だろうか。
どちらにしろ、知った所で意味は無い。これから無くなるのだから……。
場所が判れば話は早い。
彼らは今、"最近、夜に飛行機が良く飛ぶようになった"と思っているだろうが、
残念ながら戦闘機だ。まあ、飛行機である事には代わりは無いが。
挨拶代わりに、建物に空対空ミサイル『スパロー』を発射する。
二階にリンが居ない事を祈りながら……。
爆音と共に物の見事に二階部分が吹き飛んだ。
さぁ、パーティーはこれからだ、リン。
【レオーネ:現在地池上家 上空】
【池上家は二階部分が綺麗に吹き飛ぶ】