08/05/24 23:40:20 0
「なんじゃ、誰かと思えばロンバルディー二か」
流石に無反応という訳にもいかない。外道院に軽く会釈をした。
以前聞いた話だが、彼女の言葉は大昔に日本の貴族が使っていた言葉らしい。
道理で異国の者には聞き取り辛い話し方だ。
「ナンバーで呼べと言われているだろう、No.5」
言葉を返すと、外道院は"おやまぁ。それは失礼"と薄ら笑いを浮かべて謝った。
ソファに座り 彼女の前で足を組む。
「それにしても若くて羨ましいのぅ。肌も綺麗で美しい……。
妾(わらわ)など、……ほら、目元に小じわが――」
そう言って目を指差して強調するが、如何しても皺ではなく目元の隈に目が行ってしまう。
「世辞は良い。君が何故ここに?
No.1に呼ばれたのか?」
「そうじゃ。…という事は、No.6もあのメールを受取ったという事か」
彼女の問いに無言で肯くと、外道院は溜め息をついた。
「祭りというからに、大層盛大な祭りかと思いきや……。
これでは祇園の祭りには遠く及ばんのう。
どれ。妾が遊びがてらに、盛り上げてやるとするかのう」
この女が遊ぶというのなら能力を使う筈だ。
外道院は人間性も最悪だが、能力も最悪なのだ。
彼女の能力は半径二キロの生物を腐らせる能力――。
この女の事だ、一般人を巻き込む事を躊躇せずに発動させるだろう。
「私はこれから煌神リンを確保しに行く。
君が何をしようと勝手だ、好きにするといい。
……だが、邪魔だけはするな」
煌神リンをこの女の手に渡す事だけは避けたい。
仮にリンを外道院が見つけたと成ると、間違いなくこの女はリンを殺す。
それも、ただ殺すのではなく時間を掛けて嬲りながら、
心の片隅まで彼女を破壊し尽くすだろう。
それだけは防がなければならない。
――私は頭を抱え、友人の城栄を軽く恨んだ。
【レオーネ:現在地 機関アジト】
【機関関係者に『No.5』外道院 柚鬼(NPC)が貳名市入りした事が知らされる】