08/05/29 18:48:00 0
>>129
――鈍痛が体を駆け巡る感覚で覚醒した。
衣服と腕時計が消えている。代わりに毛布が私の体を覆っていた。
痛みに耐えて体を起こそうとすると、右腕が動かない事に気付いた。
先程からの鈍痛の原因はこれだったようだ。
「腕が…折れてるな……」
徐々にだが気を失うまでの過程を思い出していく。
あれは『私と私の世界』……、間違いない籐堂院 神だ。
奴は剣から義娘の体に何らかの方法で自身の精神を移したのだ。
"アリス"まで使ったのに、このザマとは情けない。
「すまない、城栄……」
戦闘に負けた事よりも、友人の信頼と期待を裏切ってしまった事が私の心を深く抉った。
『フランクミューラー』が消えているという事は、『機連送』も消えているな。
本部に調達しに行かなければ……。いや、その前に着替えとシャワーだ。
周りを見渡すと、どうやらテントの中のようだ。生活臭からしてここ最近立てられた物だ。
――誰かの隠れ家か?
私は毛布をバスタオルのようにして体を包むとテントから出た。
【レオーネ:現在地 アルトのテント】
【籐堂院 神に負けた事により4/3→3/3】