08/05/29 00:23:40 0
>>125>>134
居間に戻るといつの間にかカレーは片付けられていた。
食事(?)が終わった各々は、それぞれ思い思いの行動をとっている。
それぞれが共通点の薄い他人ならばこそ、まとまりが無いのは当然だ。
だけれど、暴れたり泣き出したりする人間がいないということはとても重要。
睡眠も、メモも、各々が結果的には生き延びるために繋がる行為。
そう。少なからず危機感の共有はできていると見て良い。
そんなことを考えていたら、国崎と青年が居間に戻ってきた。
>「……まあ、お前さん達も何か用があってここに来たんだと思うし、忙しいと思うが、
ここにいるのも何かの縁だ。一応話をさせてくれ。
お前らも見たり体験したりして、人によっちゃあ俺よりも知ってると思うが、
この町は今ヤバイ状態だ。そこら中で暴れてる奴等がいて、ゲリラの村みてぇにそこらの
奴に襲い掛かってやがる」
一旦止めて各人の反応を見る国崎。
特に驚きもせず静かに話を聴いていたが、それが彼の目にはどう映ったのだろうか。
頼りないとは思われたくないけど、落ち着きすぎていて怪しまれるのも厄介だ。
とはいえそれに沿った反応など即席でできるはずも無く、とりあえずうなずいて見せた。
>「……それで、だ。簡単に言うと、お前ら今晩は全員店に泊って行け」
この言葉にも、ただ頷きを返しただけだ。彼が断ったとしても薬局の玄関先で寝るつもりだったし。
どうやらここに集まっている者は国崎を除いて、戦闘力に乏しい者だと容易に想像できる。
だが、戦闘力が乏しいということは、異能をその他のことに活用できる可能性が高いということ。
異能で行える小さな小細工も、何人もの能力で、何十ものパターンを作れれば相当厄介な物となる。
まあそこまでは行かないとしても、かなり使い物になると思う。
だから私は賛成するけど……他の人間がなんて言うかがちょっと心配ではある。
「ま、私ははじめから決めてたしね。宜しく、国崎さん」
そういうとコップを取って、国崎の出した酒をコップ半分ほどまで注ぐ。
「ちょっと出血で体力が危ういのよ。寝酒としてもらうわね」
そのまま一気にあおると、冴え渡っていた思考は淀み始め、身体の力が抜けていく。
「美味しかったわ。じゃ、お先にお休み」
【葦川:国崎薬局で睡眠中】