08/05/24 14:22:04 0
>>274
「ぇ、あ いや大丈夫ですよ OKOK!
傷じゃなくて筋肉痛ってだけで…
あ、えと are you…
じゃない! 普通に喋れただろうが!」
何を慌ててあるのか分からないが、桐北は急に英語を交ぜてきた、私が外人だと言うことが分かり日本語じゃまずいと思ったのだろうか?
少し咳払いした後、今度は普通の日本語で話し出した。
「失礼しました… え~っと、それって情報への見返りの交渉って事でいいですか?
でしたら一つ条件があります
……何か服持ってきてください。こんな格好いつまでもしたくないですし…」
明らかに視線が外に向いている、逃げたいのか、やれやれ警戒は解けずじまいか。
ここで脅してもいいが、どうしてもそういう気分にはなれなかった。
私はそこら中にある薬品や包帯を片っ端から持ち、ちょうどそこにあった大きなバッグに入れた。
「共に戦えれば心強いと思ったが、君が私を信用しないならしょうがない。
ここで私達は失礼する、それと筋肉痛ならよくマッサージをして、よく寝ることだな、またすぐに運動すると壊すぞ」
私はバッグを担ぎ、天之尾羽張をついでに入れようとする、するといきなり
「お前が知ってるかは分からないが、この戦いは『機関』が仕組んだものだ、だからこの戦いを終わらすには『機関』のトップと幹部を何人か殺さなければならない」
「たった二人じゃ無理だろ?だから、俺達は『機関』の目的から潰す事にしている、『機関』の目的はヤハウェという能力者、あり得ないとは思うが、もし見つけたら教えてくれねぇかな?治療費としては安いもんだろ?」
「すぐに殺しに行くからさ」
師匠は怒りと憎しみをこめた声色で言う、この時の師匠の声はあまり好きではない。
桐北は何か複雑そうな表情をしている、何者かも分からない刀にこのような突拍子もないことを言われたのだ、当然か。
「何のことか分からなかったら気にしないでくれ、もし次に戦場であったらその時は共に戦えたら嬉しいな」
優しく微笑みそう言うと、天之尾羽張をバッグに入れ、私は踵を返して廃校から出る。
しかし、家のない私は行くあてもなく街を彷徨うことになる。