08/05/28 05:42:33 0
>>120の「甘い、としか~以降を変更。
「甘い、としか言えませんね。大物であることは否定しませんが。
――ともかく、この場は撤退です」
現状の私では籐堂院神を倒せない。少なくとも、今は。
「さて、そうと決まればどうするか」
周囲を確認する。車が消えている。足が消えたか。自分の持ち物を確認――いや、待て。
「裸じゃないですか、これ!」
何故だか理解できない。大雑把に無生物をまとめて消した、ということだろうか。
いやいや、せめて服ぐら残しておくべきだろう。周囲を見る。
ロンバルディーニも煌神リンも、衣服は消えている。
――一応、煌神リンの状態を確認する。放心しているが、意識はあるようだ。
「…む、困りました。気絶している、というわけでもないですし」
これでは無理をしてでも捕獲せねばならない。最低限、仕事はちゃんとこなしたい。
しかし、現状で勝ち目があるか? あちらも消耗しているだろうが、実はまだちょっと痛い。
それに、確保できたとしても運ぶ方法がない。あの男が今帰ってくれば、手痛い、どころでは済まなくなる。
もう一度周囲を見る。やはり、着替えの代わりになるようなものはないようだ。
「せめて無機物を消すぐらいにしておいてもらいたかった。
――ぐだぐだ言っても始まりません。
幸い、時間は深夜です。見咎められずに撤退できるでしょう」
ロンバルディーニを背負い、ともかく歩き出そうとして、ふと気付く。
「――ああ、そうだ。聞いておかないと」
ひとつ、考えが浮かぶ。煌神リンに対して言葉を投げかける。
「ここはひとつ、素直に機関まで来てくれませんか?
素直について来てくれるなら、着替えを用意しますけど」
断られるだろう、とは思う。しかしまあ、何らかの反応はあるだろう。
反応次第では――案外、楽に終るかもしれないし。
【アルト:逃げたい。でも仕事はやり遂げたい。裸は恥ずかしい】
【小村のことを上野恭平だと思っている】