【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ3at CHARANETA2
【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ3 - 暇つぶし2ch120:アルト ◆lJnztBYxY2
08/05/28 01:49:20 0
>>119
「俺の世界で能力を発動することを俺は認めない」

その声、この威圧感。――間違いない、あの男だ。

「よくも瑞穂の体に汚い手な、高くつくぜ?」

そのままロンバルディーニを蹴り上げる。
純粋な身体能力で言えば、あの二人の差はかなりのものだ。

「それとお前、お前は何もしてないがまた襲われると困るし、少し眠ってて貰うぞ?」

言いながら、今度は私に殴りかかる。冗談じゃない、私はまだ手を出していないでしょうに。
このぐらいの速度なら、避けるぐらいわけない――

「俺の世界で俺の攻撃を避けることを俺は認めない」

回避行動が停止する。否、停止ではなく消滅だ。それができなくなった。
―そうか、確かにそういう能力だった。問答無用の絶対命令。『私と私の世界』籐堂院神のその力。
憑依。その行為がどれほどのものかは分からない。だが、しかし――
しかし、甘い。骨が折れようが、無駄だ。同時に頭に蹴りを入れられる。無駄だ。
その程度の損傷や痛み、私にとってあまり意味がない。そもそも異能者相手には生ぬるい。
並みの異能者でも、少し気合を入れれば気絶せずに済むだろう。
――自分の体と娘の体を同一視しているのか。愚かしい。
だがしかし、奴はそれで安心したようで、去っていった。
その後に、全身の損傷を回復――余分に異能者を食べておいてよかった。

「甘い、としか言えませんね。――さて、籐堂院神はともかくとして」

背後を見やる。そこにいるのは、という少女。煌神リン。
ロンバルディーニが気絶してもなお、彼の能力の影響下にあるようだ。

「なら、簡単ですか。――ともかく、この場は撤退です」

現状の私では籐堂院神を倒せない。少なくとも、今は。

「さて、では――失礼しますよ、ロンバルディーニさん」

彼の体を持ち上げ、助手席に座らせ、シートベルトを締める。
そして私はハンドルを握り――車を走らせた。

「最低限の仕事はやり遂げたんです。それに、これで私がいる意味もあった」

私でなくては耐えられなかった、とは言わない。だが、彼では無理だったろう。
事実、彼はまだ気絶している――まったく、これだからあの男は好きになれないんだ。

「性質が気に入らない――ですが、それはもういいです。
 目的は達した――さて、どこまで走らせましょうか」

心当たりはない。――いや、携帯に履歴があったな。

「上野さんに頼んで、渡りを付けてもらいましょうか。
 今の私には、それぐらいしか手はありませんし」

まったく、あの時に聞いておけばよかった。
こんなザマでは、まだあの男は食らえないか。

【アルト:逃走中。機関との接触方法が分からず困っている】
【小村のことを上野恭平だと思っている】


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