08/05/27 21:58:47 O
>>102
「ち…きしょ…う。なんてパワーだ……」
剣を杖としてなんとか立ち上がるが、足腰に力が入らない。
文月を支えているのは、もう気力だけだった。
執念。それだけが、ただの人間である文月を異能者の域まで押し上げていた。
並みの異能者相手なら、勝つことも出来た。
事実、異能者と似たような能力を持つ人間を何人も下してきたのだ。
しかし、今回は相手が悪過ぎた。
今までの敵とは違う。
【本物】
そんな言葉がしっくりとくる。
(やべぇ…意識……が)
視界が定まらないのを自覚するよりも早く、文月はその場に倒れ込んだ。
104:神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA
08/05/27 22:46:46 0
>>95
宗方は俺の腕を振りほどくと、改めて俺に向き合い―
「まずは味方を探す、できるだけ多く。それと治療用の医薬品の調達が必要だ」
味方…か。この街にどれほどの味方がいるだろうか?
そして宗方は俺の飛んだ腕を見て
「あんたみたいに便利な体の奴は相違ないだろうしな、
まあそれは近所の薬局にで揃えるとして─ともかく」
それはそうだ。他の人間が体を離したり結合したり再生できては困る。
コレは俺の能力…いや、智の能力なんだからよ。
「よろしく頼むぞ」 そう言い、俺の左腕と握手する。
握手したあと、俺は吹っ飛んだ右腕を結合する。今回は再生ではないのがミソだ。
普段は再生することで相手に恐怖を与えたりもするが、今はその必要が無い。
使える腕は再利用…というわけだ。
「さて…薬局に行くのもいいが…こんな時間にやってるのかな?
今日はここで休むかそれとも街中をうろつくか…
まぁあんたの判断に任せることにするよ」
そう言いながら俺は、別の能力の準備をはじめていた…
(何をするつもりだ…敬)
(見てのお楽しみって奴だよ、智)
【神重:街中をうろつくか、事務所で休むかを宗方に委ねる
とある能力を発動させる準備中】
105:レオーネ・ロンバルディーニ ◆GWd4uIuzU6
08/05/27 22:47:56 0
>>98
リンと一緒に居るのは山田権六と、何故か一緒に行動しているハーケン。
そして籐堂院 瑞穂――。またの名を『機械仕掛けの神(デウス エクス マキナ)』
まさかお前が生きていたとは……。まんまと騙されたという事か。
奴の踏み込みは一瞬だった。一瞬で私に近づくと、奴の拳が水月に吸い込まれていった。
綺麗に吹っ飛ぶと、人目も憚らずに激しく咽た。
多少胃液も逆流する。ハンカチを永瀬に渡したままなのを悔いた。
「はぁ…はぁ……馬鹿力め…!」
涎を腕で拭く。汚いな、もうこのスーツは着れない。
>「気でも狂ったか?レオーネ・ロンバルディーニ、私が直々に目を覚まさせてやろう」
どこまでも……どこまでも……何処までも私の邪魔をする気らしいな!!
久しぶりに頭に血が上る。リンに逃げられた時以来だ。
「この、下っ端のカスがあぁぁぁぁっ!!」
腕に違和感を感じる。何かこう、低音火傷をした時のような熱さだ。
見てみると、【約束は守ります】と書かれている。
アルト・ハーケン……。慇懃な女というのが最初の感想だったが、第二の感想は――。
やはり、慇懃な女だった。ともかく、リンの方はハーケンに任せよう。
私は立ち上がると、体の埃を払った。――薄汚い埃。私の傍に近寄らせたく無い。
心底腹立たしい。奴の存在が、奴の全てが……!
瑞穂とその父親の所為で、私と城栄の計画は1年遅れてしまった。
この思い上がった存在の所為で、我々の崇高な意思が、使命が滞ってしまった。
ハーケンはリンに近寄ると彼女を殴りつけた。
後方に着地したハーケンの腕に抱えられているリンを見る。
一撃で気絶したようだ。後は彼女を機関まで連れて行けば任務成功だ。
>「私は私の仕事をこなしたんですから、貴方の仕事ぶりも見せてもらいますよ」
言われる間でもない。あの女は後の憂いとなる。
ここで確実に仕留める。この命に代えても……!
>「お前の能力は封殺したぞ、レオーネ、では今度こそこの前の決着をつけよう」
決着はつけるべきだ、彼女の言う通り。
だが、目を瞑った程度で私の技が かわせるとは思わん事だ。
「『落とし穴』というのは埋めても埋めても、また空いてくる……
限が無いよな。だが、それも――
お前が墓の下に居れば何も問題は無いっ!」
瑞穂の剣が肩を深く抉った瞬間、私の視界はドロドロに解けた。
私だけではない。瑞穂も山田と池上もハーケンも、人も家も木々すらも解けていく。
あぁ、リン! そんな、お前まで……!!
私は解け往く自分の体を見渡しながら、枯れる事の無い笑い声を上げた。
やや在って、この世の全てが解けた……。
『……アリスはまだ夢の中だ』
106:梓川 博之 ◆acBW5xlTro
08/05/27 22:49:43 0
>>50>>56>>77
「……ん命は、変え……る………惨げ…は……い避、出来……だぁ……………んぁ?」
顎の痛みで、俺は目を覚ました。
近くには七重のみ。何があったんだっけ?
意識が覚醒するにつれ先程あったことを思い出した。
うん、あの綺麗に決まったアッパーカット。
…最近の女子高生は怖いなぁ……。
「……よお」
七重に右手を挙げて挨拶してみる。返事は聞かない。
そういえば随分腹減ってるな…。
そう思いながら居間に向かう。
いざ居間に来てみれば、そこには――メガネの男性に、長髪スーツの女性が居た。
二人の目線が頭髪に来ているのは気のせいじゃないだろう。残念ながら。慣れてるから分かる。
それにしても…このメガネの人、なんとなく親近感が湧いた。何とは言わないが、この人も大変そうだ。
そんな考えをしていた時に、誰かが台所から来る。
左目に眼帯、白衣。結構がっしりした体つきの男性であった。
その手のお盆には――やはり、『アレ』があった。
『アレ』は全員分有るようで、当然俺の目の前にも置かれた。
『アレ』を見、俺の思考は凍りついたかのようにフリーズ。
もう見たくも無い。
お分かりだと思うが、『アレ』とはそう、悲しきかな、あのカレーだった!
正直カレーと称していいものか判断に迷う。
「……え、これ食えと?」
ポカーンと開かれた俺の口からはそれぐらいしか発声出来なかった。
スプーンを握り締めたまま唖然とする。
って白衣の人食っちまった!
その後は言わずとも分かるだろう…台所に行ってしまわれた。
その後姿がモノのやばさを物語っている…。
こんなの食えるの七重ぐらいしか居ないだろうに。
ところが舌の狂った強者がもう一人居る!
親近感の湧いた、あの地味そうなメガネだぁぁあ!!
普通に食ってるよこいつ!
「…このカレーって、美味いけどぶっちゃけゲテモノだよな」
「旨いのかよ!?」
常人の舌じゃない。
そして俺は勿論食えなかった。食わなかった、ではなく食えなかった。
あのジャンクフードが食えるものか!
「………あ、あの―…俺、食欲無いんで……ご馳走様…」
一口も食ってないけどな。
飯も食えない俺は、台所に行った人がどうなっているのか見に行くことにしてみた。
その光景は、哀愁しか漂わなかった。
延々と「の」の字を書く男性。
なんだかわからないが、この人にも親近感を覚える…。
――俺は何も言わずに、ポンポンと肩を叩いてやった。
【梓川:国崎に同情し、肩を叩いてやる】
107:レオーネ・ロンバルディーニ ◆GWd4uIuzU6
08/05/27 22:50:39 0
>>105
――夜は好きだ。私が産まれたのが夜だったから。
この住宅地は人通りが少ないのか、車の騒音も少ない。
満月の光が差し込む中、先程から聞こえるのは、目の前に居る三人の寝息だけである。
――いや、訂正しよう。四人に増えた。
私は腕に抱えた籐堂院 瑞穂をソファに持たれ掛けさせた。
割と大変だった。山田と池上を同じリビングに集める作業は男手であっても疲れる。
「馬鹿、寝ている場合か! ……テメェ、何をしやがった!?」
"剣"が声を荒げて食って掛かってくる。
「黙っていろ、舞台はもう始まっているのだ。
それにしても、山田。お前はかなり汗臭い。ちゃんとシャワーを浴びているのか?
良い機会だ、香水を付けて見ると良い」
山田は香水でも付けるべきだ。それがマナーだ。
そもそも香水という物はシャワーを浴びる習慣の無かった中世フランスで発明された物だ。
君にはお似合いだよ、と彼の額を突付いた。
「起きろ瑞穂! おい!」
"剣"は必死に持ち主の瑞穂を起こそうとしている。
「無理矢理起こそうとするな。目覚め方が悪ければ、最悪一生植物状態のままだぞ」
「くっそぉ……!!」
万事休すという奴だ。腕時計を見るもう直ぐか……。
「ん、もうそろそろテクスチャが剥がれる頃だな……。
――3、2、1……。アリスはまだ夢の中だ」
剣を持ちながら四人を見下ろす。もう舞台は終わった頃だ。
「驚いたか? なに、ちょっとした余興だよ。
どうだ、気分は……。全員聞こえているんだろう? 私の声が。」
昏倒している人間に気分は如何だと言うのも可笑しな話ではあるが。
「今まで君達が見てきたのは、君達自身が望んだ幻想。
私はその背中を少々押してやっただけだ
肉体の方は心配無い。皆、可愛らしい寝息を立てているよ」
ここに居るのは、山田権六に池上燐介、リンに籐堂院 瑞穂だけだ。
私が乗ってきた車の中にハーケンが乗っている。勿論、熟睡中だ。
彼らがどんな夢を見たのか知らないが、多少興味は在る。
自分では覗く事が出来ないから……。
「種明かしをしてやろう、簡単な話だ。今、君達は心の迷宮の中に居る」
『精神構造迷宮化(不思議な夢のアリス)』。それがこの技の名前。
発動した場合、対象者は即座に昏倒し植物状態となる。そして仮想空間という迷宮の中に囚われる。
この技は他の二つと違い、発動条件に『視界に入れる』『声の届く範囲』などの条件が付かない。
本来は私の能力が全く効かない人間、つまり目や耳が不自由な人間に対して使用する技だ。
発動条件は"範囲内に入る"事。フルパワーで200m、ミニマムで80m。
基本的には単体対象だが、指向性のオン・オフが可能で、切った場合射程が延びる。
今回は指向性をカットしフルパワーで発動させたから、当然周囲の人間も巻き込んでしまった。
まぁ、余興が終わったので精神を手放してやったが……。
強力な反面、それに伴うリスクは桁違いに高い。今の私は精神力の消耗が著しい。
108:レオーネ・ロンバルディーニ ◆GWd4uIuzU6
08/05/27 22:51:46 0
>>107
「初めにハーケン君。続いて近隣住宅の住民も含めた君達全員が技に掛かった――。
…筈だったのだが、一人だけ私の存在に気付いて外に出てきた者が居た」
腕を見ると先程まで滴っていた血液は、既に止まり始めていた。
致命傷ではない、致命傷ではないが思ったよりも深いようだ。
「瑞穂、君だよ。殺気も気配も、異能者の波動も全て消していた筈なのに……。
ちょっとショックだ。成長をしたと捉えるべきか」
瑞穂は私の腕を切りつけた後、能力に贖えず植物状態となった。
だが、剣の方は違った。"奴"は技に巻き込まれる事は無かった。
強靭な精神力を持つ者には成功しないのがこの技だ。
池上たちが戦闘によって精神を消耗していたのは幸いだった。
「まさか生きていたとはな……。死んだと報告を受けていたが……。
大した役者だよ、君達親子は」
最初に奴の声を聞いた瞬間理解した――。籐堂院 神だ、と……。
憎き裏切り者の声なのだ、聞き間違える筈が無い。
どうやって籐堂院 神が剣に意思を移せたのか、それは解らない。
だが、我々異能者の存在もある意味SFなのだ。
物体に意思を移植するという奇跡も在るのだろう。
もっとも、目の前に証拠が在るのだ。信じざるを得ないが……。
瑞穂の前で屈むと、白磁の頬を撫でる。宛らアンティークのようだ。
「テメェ! 下衆な手で瑞穂に触るんじゃねぇ!!」
「大きくなった……」
そう呟くと、瑞穂のか細い喉を締め付け始めた。
「お前のお陰で私と城栄の計画は1年も停滞してしまった……!
ここでお前を殺すのは容易いのだ…!!」
だが、私はそんな事はしない。今の最優先事項は煌神リンの確保だ。
瑞穂をソファに投げ付けると、深呼吸をして気を冷静に保つ。彼女を殺るのは今でなくとも良い。
先程から煩い籐堂院を持つと、柱に突き刺した。
「蹴り折られたくなければ、そこで黙って見ている事だ。
――諸君、ここからが本題だ。私は君達が今どんな状況に在るのか知らない。
人それぞれ場所は違うだろう。だが、そこから抜け出るヒントなら知っている。
"迷宮のゴール"に辿りつく事。それだけだ」
ゴールが何なのか、私にも解らない。一般的な旗の立ったゴールなのかも知れないし、
別の何かなのかも知れない。全ては彼らの心次第なのだ。
「山田。もしかしたら心の迷宮の中で、失った恋人に逢えるかも知れないぞ。
今際の際に言えなかった言葉でも言ってやるんだな。
もっとも、お前の記憶と幻想が創り出した妄想に過ぎないがな。
……煌神 リンの確保は成功。私の任務は成功した。
後は、君達で好きにすると良い。また会おう……」
――後ろで娘に声を掛ける籐堂院神を残し、私は車へと戻った。
【レオーネ:現在地 車の中(精神状態は極度の疲労に陥っている)】
【戦ヶ原、池上、籐堂院は心の迷宮へ。アルトは車に戻った後に迷宮を強制クリア】
109:レオーネ・ロンバルディーニ ◆GWd4uIuzU6
08/05/27 22:55:31 0
>>108の訂正
×アルトは車に戻った後に迷宮を強制クリア
○アルトは車に戻った後に迷宮を強制クリアさせた
110:廻間 統時 ◆7VdkilIYF.
08/05/27 23:29:19 0
>>85
(やれやれ…血の気の多い男だぜ…)
男は俺の忠告に耳を傾けていないようだ。
身の丈ほどもある大剣を構え、振り返る事も無くツバサへと斬りかかってゆく。
提案を無視された俺は、肩を竦めると双刀を構え様子を見る。
(敵に迂闊に近づくわけには行かない。ここはサシの勝負にさせておこう)
>>96
大剣という武器は、破壊力を徹底的に求めた武器だ。
そのため、剣とは呼ばれていながらもその刀身は叩き潰すためにある。
つまり、扱い方としては鈍器とほとんど似ているのだ。
そして、俺達と対峙しているツバサは相当の強者…もちろん、男の実力も相当のものだろうが…
ハッキリ言えば、ツバサの方が強いだろうな。
怒りに任せ、何の考えも無く突っ込んだ一撃など通用しないに決まってる。ヒラリ、とツバサは攻撃を避けた。
>「ではでは、我が能力【冥府】ご披露いたそう!」
(なんだ、この揺れ…敵は地殻操作能力者か?)
俺が敵の能力について思考を繰り返していると、揺れが収まった。
次の瞬間。
(…なん、だと?)
地が避け、裂け目から幾多もの亡者…つまり、ゾンビが這い出てきた。
数にしておよそ数十。そのゾンビが、俺たちを取り囲む。
ゾンビたちを呼び出したツバサは、いつの間にか現れていた椅子に腰掛けていた。
>「おっとそうだった、そこのお嬢ちゃんを保護しないとな」
ツバサが指をパチン、と鳴らした瞬間桜が地面の裂け目に落ちてゆく。
そして、落ちたと思ったら桜がツバサの隣に腰掛けていた。
ツバサの隣なら、ゾンビたちの攻撃に巻き込まれないという事か?
(それにしても数の暴力…しかも、敵は不死者。こりゃあ不味いな)
ゾンビというのは既に死んでいる。つまり、死ぬ心配がないのだ。
しかも意思が無い…腕の一本や二本を斬りおとしても、恐れず俺に立ち向かってくる事だろう。
その証拠として、すでに5体ほど斬ったものの斬ったそばからすぐに復活してくる。
ゾンビたちの操作者であるツバサに近づこうとしたが、ツバサの近くにいるゾンビに進行を阻止され失敗へと終わる。
(退魔の力を持たない俺の斬撃ではゾンビ達には通用しない…ならば!)
俺は、双刀を消し格闘戦での構えを取った。
そして、ゾンビを力の限り地面に叩き付ける。
「おぉぉぉうりゃあッ!」
ゾンビと言うのは、大抵肉体や骨が腐っている。
体が腐っている事は、耐久力が著しく下がっているという事だ。
叩きつけられたゾンビは肉体が弾け飛び、そして動きが止まる。
(やっぱここまで肉体を破壊されちゃあ動けないか…いけるな)
111:廻間 統時 ◆7VdkilIYF.
08/05/27 23:30:18 0
>>101>>103
俺が近くのゾンビを片っ端から叩き付け、再起不能にしてゆく。
そしてあらかた片付け終わる。どうやら、男の方も殲滅し終わったようだ。
「さて、と。これでゾンビ達は片付け終わった…ツバサ、俺たちと戦ってもらうぞ」
そして、俺が再び双刀を形成しツバサに対峙した…その時。
男がただツバサを見据え、剣を振りかざす。まぁ、それだけなら良かった。
しかし、男の直線上にはツバサと…桜がいた。
もしツバサが攻撃を避けたら、桜にその一撃が直撃してしまう!
「待て!攻撃を止め…」
その瞬間。
ツバサの前に人ならざる蒼い影が現れ、男の剣を片手で止める。
一つの鈍い音、そして爆音が生じる。
「召喚術…!」
ツバサを守るように立ちはだかるは、地獄の底から舞い上がったような蒼い鬼。
やはりそうだ。先ほどのゾンビたちもそうだが、この男…人外の物を召喚することが可能だ…
気付けば、男が鬼に吹き飛ばされ血反吐を吐き膝をついている。
剣を杖代わりにして立っているものの、あれではもう戦えないだろうな。
(あの勢いの大剣でもなんなく止められた。間違いなく、俺の一撃も止められる…
物質ではなく空間を切る空間斬なら、止められはしないだろうが…当たるのか?あの、蒼い鬼に)
今日2度目の冷や汗が、額を零れ落ちる。
ルナを呼び出すにも……ダメだ、アレは肉体的負荷があまりにも大きすぎる。
確かに、呼び出せばあの鬼は跡形もなく粉砕できる…
しかし、呼び出すに1分もかかってしまう…この状況での1分は1時間に等しい。
呼び出している間に、俺も男と同じようにやられてしまうだろう。
…詰んだ…
……いや、諦めるわけにはいかない。勝つ要因が無いのなら、自ら作り出すまで!
この相手には空間斬しか通用しない…なら、それに賭けるまでだ!
たとえ…当たらなくてもだ!
【廻間:空間斬を使用。隙が大きい】
112:アルト ◆lJnztBYxY2
08/05/27 23:31:27 0
>>108
声が聞こえる。
「驚いたか? なに、ちょっとした余興だよ。
どうだ、気分は……。全員聞こえているんだろう? 私の声が。」
あの男――レオーネ・ロンバルディーニの声だ。
「今まで君達が見てきたのは、君達自身が望んだ幻想。
私はその背中を少々押してやっただけだ
肉体の方は心配無い。皆、可愛らしい寝息を立てているよ」
なるほど。道理でうまく行き過ぎた。少しばかりいぶかしみもしたが、まあいいだろうと流していた。
ともかく、この声が聞こえているということは、目的は達成された、ということだろう。
「まったく、私が来る必要はなかったじゃないですか。
こういう問答無用な幻覚系の能力に対する抵抗力、まだ足りませんね」
今後の課題として、後回しにしていたが――もっと早く取り組めばよかった。
「種明かしをしてやろう、簡単な話だ。今、君達は心の迷宮の中に居る」
「初めにハーケン君。続いて近隣住宅の住民も含めた君達全員が技に掛かった――。
…筈だったのだが、一人だけ私の存在に気付いて外に出てきた者が居た」
最初に私を狙った…? 分からないな、そこにどんな意味があるのか。
わざわざ私を狙う意味……いや、違うか。狙ったとは言っていない。
あるいは、射程圏内の中の人間に無差別に効果を及ぼすタイプかもしれない。
「瑞穂、君だよ。殺気も気配も、異能者の波動も全て消していた筈なのに……。
ちょっとショックだ。成長をしたと捉えるべきか」
へぇ、彼女は反応できたのか。それはいい。実にいい。
このレベルの相手に対してある程度反応できたというのなら――丁度いい。
今の私と釣り合うかどうかは、まあ直接戦わなければ分からないが。
「まさか生きていたとはな……。死んだと報告を受けていたが……。
大した役者だよ、君達親子は」
知られたか。私としては自分の手で片付けたかったが、今の私には何もできない。
大抵の幻覚は、なんらかの条件を達成すれば脱出できるのだが。
「蹴り折られたくなければ、そこで黙って見ている事だ。
――諸君、ここからが本題だ。私は君達が今どんな状況に在るのか知らない。
人それぞれ場所は違うだろう。だが、そこから抜け出るヒントなら知っている。
"迷宮のゴール"に辿りつく事。それだけだ」
ゴール。それが条件か。人によって違うということは、つまり、
「対象の心理的要因によって打ち破られる、ということですね」
――なんだ、それなら簡単だ。現状、今この場を支配している男。
レオーネ・ロンバルディーニ。この夢の中のあの男を殴りつけ、融解させる。
113:アルト ◆lJnztBYxY2
08/05/27 23:32:05 0
>>112
――同時に、目が覚めた。私のいる場所は車内。
外を見る。隣には―ロンバルディーニがいる。
まったく、流石に冒頭の戦闘機のくだりは荒唐無稽が過ぎた。
その時点で少しは疑っても良かったろうに――私は、未熟だ。
「まったく、私を呼んだ意味がなかったじゃないですか。
これなら最初から一人でやってくれればよかったのに。
私には、彼らを襲うなとか忠告しておくだけにして」
あちらも上からの命令で迷惑していたのかもしれないが、こちらは無駄足だ、文句も言いたくなる。
後部座席を見ると、煌神リンが眠っている。その寝顔は、まあまあ愛らしい。
彼女も何らかの夢の中だろう。悪夢、というわけではないらしい。
「それで、彼らはあのままでいいんですか?
後顧の憂いを断つ、という意味では、ここで倒した方がいいでしょう。
――あるいは、今後の成長に期待している、ということですか」
どちらにせよ、今はあまり意味のないことか。
不愉快な経験だったが、まあ、幻覚系の能力についていい勉強になったと思おう。
しかしまあ、このタイミングで夢から覚めたということは、どっちだろう。
先程のあれで正解だったのか、彼が自ら解除したのか。
しかし、やはり彼らでは勝てなかったか。直接戦闘タイプでなかった、というのは誤算だ。
だが、考えておくべきことではあった。目標の捕獲にはこのタイプの方が向いている。
顔を見ると、消耗しているようには見える。どの程度かは分からないが、さて。
「それで、これからどうするんです?
彼女を護送するだけ、というのなら、私は降ろしてもらいたいのですが」
【アルト:覚醒】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
114:宗方零 ◆BSFghFxWJY
08/05/27 23:41:50 0
神重は断ち切られた腕をおもむろに拾うと、切断面にピタリとつけて
即座に繋げる。
(恐ろしい男だな…彼を敵にしなくて本当に良かった)
「さて…薬局に行くのもいいが…こんな時間にやってるのかな?
今日はここで休むかそれとも街中をうろつくか…
まぁあんたの判断に任せることにするよ」
その通り、コレ以上の行動は死に繋がる。
宗方も神重もこの一夜で戦闘に巻き込まれすぎた、
おそらく今もこの街のどこかで戦闘が行われている筈だった。
「今日はひとまず休息を取ろう、あんたも私も能力を使いすぎた」
宗方はおもむろに、事務所の片隅から寝袋を引っ張り出す。
それから、事務所の隅から弾痕付きの小型のソファを引っ張り出す。
事務所襲撃時に唯一無事だったものだ。
シート部分を引くと、簡易式ベッドになり、そこにブランケットを被せる。
「弾痕が付いてるが、よければ使ってくれ。まさか棺桶で眠りたいとは・・・いや冗談だ」
宗方は寝袋のジッパーを開けると、滑り込んでごろりと横になる。
「とりあえず明日、近所の薬局でいろいろと揃える。それに・・・
治療品のある場所には必ず来るはずさ、異能者が・・・ではお休み」
(隠れたり闘ったり逃げたり説得じたりと・・・忙しい一日だったな)
宗方は眠りに落ちていった。
【宗方零 休息 神重の能力には気付いていない】
115:城栄 金剛 ◆u5ul7E0APg
08/05/28 00:35:20 0
深夜未明。
金剛は会議の合間にナガツカ本社ビル37階で一服していた。
その横では小男、桜庭左近が相変わらず忙しそうに定時報告をしている。
何時何分に何人死んだか、どこで何があったのか、この街で起こったすべての情報を1時間ごとに金剛の耳に入れなければならない。
この男は、この街のすべてを自分の手足のように常に把握していなければ気が済まないのだ。
「…よォーし、研究室に向かう。」
大容量の情報をすべて頭に叩き込んだ金剛は短く言うとエレベータの方向へ足を向けていた。
「は…、いえですが、まだプロダクションの経営会議が途中――…」
「俺の判断が必要な箇所にはもうすべて指摘を入れた。奴らがボンクラでねぇ限りあと10分後には俺の求める結論に辿り着いているだろうよ。
途中の議論については後ほど文書にまとめて提出しろ。」
歩きながら金剛は桜庭に言い捨てる。
「その10分の間に、俺は研究室に足を運ぶ。」
企業運営で分刻みのスケジュールをこなす金剛が、機関に気を回せるのは、人外じみた彼の政治的手腕によるところが大きい。
「総と…いえ、社長。」
「なんだ。」
「あの・・・社長は、いつ寝ておられるのですか?」
「週末だな。」
金剛の答えに桜庭が愕然としているうちに、エレベータは目的の階に到着した。
研究室。
そこはナガツカ本社ビル地上108階に位置し、内部の者でも知る者は一握りの秘密の研究所と言える場所だった。
壁の全面を巨大なスクリーンが覆い、全方位に設置された端末にはびっしりと機械のように作業する研究員たちが並んでいた。
「ひぇっひぇっひぇ、これはこれは。お越しになられるのでしたら前もってご連絡をいただけなければ困りますぞ。」
その中心に立つ白衣姿の老人が、傍若無人に入ってきた金剛に声をかける。
「すまねぇなァ博士。仕事の合間に顔見せに来ただけさ。」
口では老人に対して返答をしているものの、その視線はすでに別のものに釘づけになっていた。
その視線の先にあったものは―――…巨大なフラスコで培養されている…人間の『ミイラ』だった。
「・・・『お前』にな…。気分はどうだ?『炎魔』よ。」
『炎魔』と呼ばれたそのミイラは当然その問いには答えようがない。
そのミイラの正体は、鎌倉時代を生きた人類最初の異能者…湯瀬政康のなれの果てだった。
900年の時を経て、金剛にその身体を発掘されたのだ。
「現在復元率は32.2%…。まだエネルギーが足りておりませんな。」
白衣の老人はミイラを凝視する金剛の横から声をかける。
「…より多くの『生贄』が必要となりまする。」
「フン…、分かった。異能者狩りを強化させよう。なんでもいい。お前らはなんとしてでも『炎魔』の復元を一秒でも早く進めろ。」
「御意のままに…」
10分が経ち、金剛はその部屋を後にする。
会議室に戻るエレベータの中で、金剛は嬉しさのあまりふるえながら高らかに吼えた。
「ここまで長かった…。『炎魔』の復活!それさえ果たせば…俺はこの全宇宙を支配することさえも児戯に等しくなるだろう!!」
【城栄金剛:目的…『炎魔』の復活。】
【この街で起きたことはすべて金剛は知っている。】
116:籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6
08/05/28 01:22:47 0
>>108
「初めにハーケン君。続いて近隣住宅の住民も含めた君達全員が技に掛かった――。
…筈だったのだが、一人だけ私の存在に気付いて外に出てきた者が居た」
「瑞穂、君だよ。殺気も気配も、異能者の波動も全て消していた筈なのに……。
ちょっとショックだ。成長をしたと捉えるべきか」
「まさか生きていたとはな……。死んだと報告を受けていたが……。
大した役者だよ、君達親子は」
やはり、この手で来たか、師匠の計算通りの展開だ、しかし戦闘機から全て幻術とはレオーネも面白いことをする人間だ。
「テメェ! 下衆な手で瑞穂に触るんじゃねぇ!!」
「大きくなった……」
「お前のお陰で私と城栄の計画は1年も停滞してしまった……!
ここでお前を殺すのは容易いのだ…!!」
「蹴り折られたくなければ、そこで黙って見ている事だ。
――諸君、ここからが本題だ。私は君達が今どんな状況に在るのか知らない。
人それぞれ場所は違うだろう。だが、そこから抜け出るヒントなら知っている。
"迷宮のゴール"に辿りつく事。それだけだ」
師匠は実に人が悪い、自分でこうなるように仕向け、まんまとレオーネの罠にかかるふりをして逆に罠にかけるとはな。
あっちは師匠に任せ、私は私でこの迷宮のゴールとやらを見つけよう。
前方を見ると目の前は全て闇、その中に一人佇んでいる男がいた。
「師匠ですね?私の前に出てくるくらいだ、貴方だと思っていましたよ」
そう呟き、天之尾羽張を抜く、この迷宮はこの師匠もどきを倒せば抜けられるのか?
そんな事はどうでも良い、私は目の前の敵を斬るだけだ、相手も剣を抜き私と相対する。
いくら姿形は師匠に似ていても所詮は作り物、心置きなく叩き斬れる。
「では初太刀より奥義にて仕る、二の太刀要らずと言われた示現流と建御雷神の力の混合技」
天之尾羽張が雷を纏っていく、私は技術も何もなくただ力だけをこめ斬りかかる。
「神技・天裁雷之轟」
私の一撃は相手が構えた剣ごと全てを叩き斬った。
117:籐堂院神 ◆FleR8jlnN6
08/05/28 01:24:06 0
>>116
やれやれ、レオーネはやっと立ち去ったか。
しかし、馬鹿な奴だ、ここで瑞穂を仕留めていかないとはな、それに俺をここに残したまま行くとは。
俺には初めから分かっていた、レオーネがこの技を使ってくると事が。
一応俺は過去に幽玄の爺さんの右腕として暗殺部門で働いていた。
そのため、あの頃現役だったファーストナンバーとセカンドナンバーの能力者の能力はほとんど記憶している。
だから、わざわざ瑞穂に『剣神憑依』を使わせ、俺の一部を憑依させたのだ。
俺は刀に残っている意識を瑞穂に憑依させる、これで準備は整った、感謝してるぜレオーネ、これでまた暴れることが出来るんだからな。
もともと『剣神憑依』は瑞穂に俺を憑依させ、知識・身体能力・異能力を一時的に引き継がす技だ。
しかし、瑞穂には荷が重いのか俺の『私と私の世界』を使いこなす事は出来なかった。
しかも、憑依中は瑞穂の精神が生きているため、俺が制御権を奪うことも出来ない。
レオーネの精神を蝕む技のおかげで瑞穂の体の制御権は今体にある唯一の意識がある魂、つまり俺に移ったのだ。
俺は静かに立ち上がり、柱に刺さっている天之尾羽張を抜く。
その姿は籐堂院瑞穂だったが、放たれている覇気は長年戦場を勝ち抜いてきた強者の物だった。
「久々の体、動かしやすいな、流石は瑞穂だ」
俺は少し素振りをする、そういえば早くしないとレオーネ達に逃げられるかもな、急がなければ。
「来い『私と私の世界』」
すると、世界は漆黒に染まる、この結界は俺が指定した任意の距離を俺の世界として、現実世界から隔離したものだ、出ようと思えばすぐに出られるけどな。
118:七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI
08/05/28 01:24:07 0
>50 >56 >77 >106
七重の精神は、人見知りをするほど繊細にはできていないが、
ろくに面識もない者三人と食卓を囲むとなると、さすがに居心地の悪いものがある
割り方、話のできる国崎などは、カレーを一口食べたぎり、
台所に引っ込んだまま出てこようとしない
もっとも、たとい国崎が傍らにいたとしても、
七重の心持が軽くなるかどうかは定かではない
>「…このカレーって、美味いけどぶっちゃけゲテモノだよな」
というのは、国崎が連れてきた客人の一人、眼鏡をかけた男性の言葉である
対応して、ぎらりと閃いた七重の眼光は、眼鏡のレンズを貫通し、
男性の網膜を刺突すべくして直進した
しばしの沈黙が痛い
「分かる奴には分かる」
そう呟いた七重は、カレーを食べようともしない白黒青年に対し、ちらりと視線を投げかけた
そして再び、眼鏡の男性の方角へ目を向ける
少なくとも先程よりは、友好的なものが双眸の奥に在しているであろう
さても、もう一人の客人であるスーツの女性に至っては、
食事を相手にすることもなく早々に立ち上がり、店内を物色し始めた
それにつられるようにして、白黒青年も立ち上がり、ふらふらと台所へ姿を消した
各々方が気楽であると言えば聞こえは良いが、全く散々な食事会である
結局、残された分のカレーは七重が始末した
次いで、眼鏡の男性が食べ終わったのを見て、皿を没収し、
出来るだけ早く、出切るだけ綺麗に全ての食器を洗うと、
丁寧に水を切って棚に戻す。要領が良いと言えば、良い
思いがけずその横では、青年と国崎が仲良く肩を並べており、
哀愁じみた、何やら不穏な空気を発散させていた
居間に戻った七重は、台拭きで以ってテーブルを掃除すると、
億劫そうな表情にて大あくびを放った
何時の間にやら、スーツの女性も舞い戻っている
七重は、眠気に淀んだ目を動かし、彼女の瞳を垣間見ようとしてみたが、
二人の視軸は交錯することなく、揺らめいて反発するのみであった
発生した溜息は、薄暗いモヤとなって、
しばし居間の電灯をちらつかせると、空気に溶けるようにして霧散する
七重は翻って隣室へ入り込むと、襖から布団を引っ張り出して敷き、
すぐさまそこに潜り込むと、自意識を闇へ落とすべく努めた
白黒青年の用に足りるのは、店長たる国崎である
客人二人にしても、国崎についてきたのであって、自分に話があるわけではなかろう
そういう考えが、七重の念頭にあった
四人の話を妨げまいとして、早々に寝具へ退避したのである
空気を読んだと言うべきか、それは余りに、
コミュニケーションの拒絶を目的とした、ただそれだけの空しい行為であった
119:籐堂院神 ◆FleR8jlnN6
08/05/28 01:25:32 0
>>117
「俺の世界で動くことを俺は認めない」
よし、これでレオーネ達は動けなくなるはずだ。
外に出てみると、車が停まっている、間に合ったみたいだな。
「俺の世界に無生物は要らない」
人間以外の全ての物が消える、目の前には座るところをなくしたレオーネ達が無様に転がっている。
「俺の世界で能力を発動することを俺は認めない」
金髪の女がどんな能力だか知らないがこれで封じればいい。
俺は命令を上書きする、するとレオーネ達は動けるようになる。
驚いて俺を見る、すでに俺が籐堂院 神だということに気付いているようだ。
「よくも瑞穂の体に汚い手な、高くつくぜ?」
素早く接近し、レオーネを高く蹴り上げる、まるでボールのようだ、そして着地する前にもう一度蹴り、最後に殴り飛ばす。
今の俺の身体能力は並大抵の物じゃない、異能者どころか怪物レベルはあるだろう。
本気でやればいくら異能者だろうが即死する、だから少し手加減してやった、勿論気絶はしたはずだ、意識があるかないか分からないが俺はレオーネに話しかける。
「お前には死んで貰っちゃ困るんだ、『機関』の屑共に伝えとけ籐堂院 神が帰ってきたとな、あと幽玄の爺さんにもよろしくな」
「それとお前、お前は何もしてないがまた襲われると困るし、少し眠ってて貰うぞ?」
俺は金髪の女に殴りかかる、女はそれに反応し避けようとする。
なかなか反応がいいじゃないか、だがこの程度では俺の相手はつとまらない。
「俺の世界で俺の攻撃を避けることを俺は認めない」
すると女の体は止まり、俺の拳は女の腹にめり込む、すこし骨の折れる音がした。
そして体勢を崩したところで頭に蹴りをいれる、ジエンド。
レオーネ同様少しの間は目を覚まさないだろう、二人を元の車があった位置に戻す。
これで目覚めたときは車の中に居るだろう、そろそろ限界だな、久々に能力使ったせいで少し疲れたみたいだ。
赤髪の少女がぽかんとこちらを見ている、こいつはこいつで好きに行動するだろう、そう思った俺は少女に声をかけずに横を通り過ぎる。
さて池上の自宅に戻らせて貰おう、あいつ等も目が覚めたとき俺がまだ池上の自宅に居るとは思わないだろう。
俺は能力を解除し、池上宅に戻り、与えられた部屋で眠りについた。
【籐堂院瑞穂:池上宅で就寝 二日目(一日目)終了】
120:アルト ◆lJnztBYxY2
08/05/28 01:49:20 0
>>119
「俺の世界で能力を発動することを俺は認めない」
その声、この威圧感。――間違いない、あの男だ。
「よくも瑞穂の体に汚い手な、高くつくぜ?」
そのままロンバルディーニを蹴り上げる。
純粋な身体能力で言えば、あの二人の差はかなりのものだ。
「それとお前、お前は何もしてないがまた襲われると困るし、少し眠ってて貰うぞ?」
言いながら、今度は私に殴りかかる。冗談じゃない、私はまだ手を出していないでしょうに。
このぐらいの速度なら、避けるぐらいわけない――
「俺の世界で俺の攻撃を避けることを俺は認めない」
回避行動が停止する。否、停止ではなく消滅だ。それができなくなった。
―そうか、確かにそういう能力だった。問答無用の絶対命令。『私と私の世界』籐堂院神のその力。
憑依。その行為がどれほどのものかは分からない。だが、しかし――
しかし、甘い。骨が折れようが、無駄だ。同時に頭に蹴りを入れられる。無駄だ。
その程度の損傷や痛み、私にとってあまり意味がない。そもそも異能者相手には生ぬるい。
並みの異能者でも、少し気合を入れれば気絶せずに済むだろう。
――自分の体と娘の体を同一視しているのか。愚かしい。
だがしかし、奴はそれで安心したようで、去っていった。
その後に、全身の損傷を回復――余分に異能者を食べておいてよかった。
「甘い、としか言えませんね。――さて、籐堂院神はともかくとして」
背後を見やる。そこにいるのは、という少女。煌神リン。
ロンバルディーニが気絶してもなお、彼の能力の影響下にあるようだ。
「なら、簡単ですか。――ともかく、この場は撤退です」
現状の私では籐堂院神を倒せない。少なくとも、今は。
「さて、では――失礼しますよ、ロンバルディーニさん」
彼の体を持ち上げ、助手席に座らせ、シートベルトを締める。
そして私はハンドルを握り――車を走らせた。
「最低限の仕事はやり遂げたんです。それに、これで私がいる意味もあった」
私でなくては耐えられなかった、とは言わない。だが、彼では無理だったろう。
事実、彼はまだ気絶している――まったく、これだからあの男は好きになれないんだ。
「性質が気に入らない――ですが、それはもういいです。
目的は達した――さて、どこまで走らせましょうか」
心当たりはない。――いや、携帯に履歴があったな。
「上野さんに頼んで、渡りを付けてもらいましょうか。
今の私には、それぐらいしか手はありませんし」
まったく、あの時に聞いておけばよかった。
こんなザマでは、まだあの男は食らえないか。
【アルト:逃走中。機関との接触方法が分からず困っている】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
121:アルト ◆lJnztBYxY2
08/05/28 05:42:33 0
>>120の「甘い、としか~以降を変更。
「甘い、としか言えませんね。大物であることは否定しませんが。
――ともかく、この場は撤退です」
現状の私では籐堂院神を倒せない。少なくとも、今は。
「さて、そうと決まればどうするか」
周囲を確認する。車が消えている。足が消えたか。自分の持ち物を確認――いや、待て。
「裸じゃないですか、これ!」
何故だか理解できない。大雑把に無生物をまとめて消した、ということだろうか。
いやいや、せめて服ぐら残しておくべきだろう。周囲を見る。
ロンバルディーニも煌神リンも、衣服は消えている。
――一応、煌神リンの状態を確認する。放心しているが、意識はあるようだ。
「…む、困りました。気絶している、というわけでもないですし」
これでは無理をしてでも捕獲せねばならない。最低限、仕事はちゃんとこなしたい。
しかし、現状で勝ち目があるか? あちらも消耗しているだろうが、実はまだちょっと痛い。
それに、確保できたとしても運ぶ方法がない。あの男が今帰ってくれば、手痛い、どころでは済まなくなる。
もう一度周囲を見る。やはり、着替えの代わりになるようなものはないようだ。
「せめて無機物を消すぐらいにしておいてもらいたかった。
――ぐだぐだ言っても始まりません。
幸い、時間は深夜です。見咎められずに撤退できるでしょう」
ロンバルディーニを背負い、ともかく歩き出そうとして、ふと気付く。
「――ああ、そうだ。聞いておかないと」
ひとつ、考えが浮かぶ。煌神リンに対して言葉を投げかける。
「ここはひとつ、素直に機関まで来てくれませんか?
素直について来てくれるなら、着替えを用意しますけど」
断られるだろう、とは思う。しかしまあ、何らかの反応はあるだろう。
反応次第では――案外、楽に終るかもしれないし。
【アルト:逃げたい。でも仕事はやり遂げたい。裸は恥ずかしい】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
122:煌神 リン ◆7Q1qJNYWx.
08/05/28 06:14:29 0
>>121
…ここは、きっと夢の中なのだろう
そう自覚してリンは、それでも動く事をやめない。
この夢は過去の夢?いや、過去というより…自分の望んだ夢。
目の前にもう一人自分が現れる。
『おい!お前なんでここにいるんだよ!』
「何でいちゃいけないの?」
私の切り返しに彼女は呆れたように答える。
『馬鹿か?おまえ、つかまってんだぞ?』
「でも、私はここがいいんだよ。」
『はぁ、いいか?まだ【天照】も【月讀】起きてないんだぞ?ここで死なれちゃ困る』
私は答えない、否答えたくないのだ。
『いいか?すぐに起きろ兄貴に会いたいんだろ?』
「はい、」
返事をしてすぐに私の意識は覚醒した。
「ん…ここは、あ・・れ?裸?」
しばし私が放心している途中、ハーケンと呼ばれた女性が話し掛けてくる。
「ここはひとつ、素直に機関まで来てくれませんか?
素直について来てくれるなら、着替えを用意しますけど」
「私は、『断る、第一そんなことをしなくても服なんてどうにでもなる』」
私が言う前に裏に言われてしまった。
女性は最初から期待していなかったようにそうですかと一言いうと、早々に帰っていった。
私はとりあえず池上さんの家に入ると部屋にスペアとして置いておいてもらったメイド服を着る。
私はそのまま居間に行った。
【煌神:アルトの申し出を断る、池上の家に入って再度メイド服を着て居間に行く】
123:煌神 リン ◆7Q1qJNYWx.
08/05/28 06:57:18 0
訂正
私はそのまま居間に行った→私はそのまま居間に行き椅子に座って寝た。
再度メイド服を着て居間に行く→再度メイド服を着て居間に行き寝た。
124:文月の中の人です ◆XzQQgkPzlg
08/05/28 09:01:37 O
>>111
「風架!封陣縛!」
凛とした少女の声が、月夜の下に響きわたったかと思うと、鬼の周囲に風が渦巻いた。
風は鬼にまとわりつき、その巨体を縛りつける。
【何者かが能力で鬼の動きを封じる】
125:恋島達哉 ◆KmVFX58O0o
08/05/28 09:06:26 0
>>77>>106>>118
俺はカレーを食べながら、ガタイの良い男に話しかけた。…のだが、何だろう、このどんより空気
すると派手な髪の色の学生が、空気を変えるように驚いた声を出した
>「旨いのかよ!?」
…まぁ、な。俺の舌が狂ってるのは百の承知さ。…そこまで驚かれると、なんか、アレだ
学生はそう言ってスプーンを置きご馳走様と言うと、そそくさと今から出て行ってしまった
葦川さんも苦笑を浮かべて食事を終えると、学生と同じく居間から出て行ってしまった。今には俺とガタイの良い男の二人だけだ
気まずい…話しかけたものの、ガタイの良い男の眼光が気になって言葉が出てこない。蛇に睨まれたカエルって奴?
すると
>「分かる奴には分かる」
そうガタイの良い男は俺に返答し、カレーを食べ始めた。にしても食いっぷりがいいな
俺も目の前のカレーに集中する。うぬ、食べれば食べるほど湧き出るゲテモノ臭。褒めたものの二度目は勘弁しよう
ガタイの良い男と俺は同時に食い終わる。そういやこの男の名前も、学生の名前も知らないな
けど自己紹介しに来たわけじゃないしな。知る必要性は無いって言えば無いが
ガタイの良い男は素早い動作でお盆に5人分の食器を乗せると居間から出て行った
彼が出て行って少し経つと医療品を抱えた葦川さんが戻ってきた。俺も…店を出る時でいいか
しかし困る。葦川さんとはさっき面識が出来たばかりで友人でもなければ仕事上の付き合いも無い。ホントの意味での顔見知りだ
学生とガタイの良い男に至っては名前も知らない。よくよく考えると物凄く妙な集まりだ。何の共通点も無い…
…にしてもシュールだな。背格好も年も違う面子が同じ食卓でカレーを食べる。そう思うとなんだか笑える
ガタイの良い男が皿洗いを終えたのか居間に戻ってきた。だが葦川さんを一瞥するとまたも居間から出ていってしまった
…正直困る。女性と二人だ何てもう何年経験していないシチュエーションだろう。まぁこんな状況でシチュエーションもクソも無いが
国崎さんと学生もまだ戻ってこない。トイレか台所かは知らないが、今頃色んな意味で大変な事になっているのは分かる
どうしようかな…こんな所で持て余していても仕方がないんだけどね。けど深夜帯をほっつき歩くとまた危ないかんな
迷った挙句、俺は懐からメモ帳を取り出し、この前のチェーンメールを書き写す作業に移った
メールを書き写しながら、ちょっと考察してみる。文章だけを見ると、中学生の頃に書いた邪気眼みたいな小説を思い出し恥ずかしくなる
いちいち言葉に括弧を使っているのもどこか笑える。それほど強調したい所なんだろう
『暴徒』『戦い』『奪う』『暴発』…いづれも穏やかじゃないねえ。にしても一番面白いのこの部分
およそ100人って完全に把握してないのかよ。つうかこんな町にそんなに超能…いや、異能者か。がいるとは思えないのだが
それに72時間ってすぐ経っちまうぞ。もう突っ込む所が多くて困る
ふと目元がぼやける。というか睡魔が猛烈に襲ってくる
一応チェーンメールはメモ帳に書き終えたし、やる事も無くなったな…
だが他人様の家で寝るわけにもいかない。あのガタイの良い男はたぶん国崎さんの兄弟かなんかだろう
九鬼にどこか安価で泊まれるホテルを探すようメールを打ち、携帯電話とメモ帳をしまう
取りあえず学生と国崎さんが戻るまで待つか…
【メールをメモ帳に書き写す。国崎が戻ってくるのを待つ】
126:恋島達哉 ◆KmVFX58O0o
08/05/28 12:48:41 0
【ごめんなさい、文章修正です】
×ガタイの良い男が皿洗いを終えたのか居間に戻ってきた。だが葦川さんを一瞥するとまたも居間から出ていってしまった
○ガタイの良い男が皿洗いを終え、今に戻ってきた。持っている雑巾で淡々とテーブルを拭く
何となく気を使わせて悪い気になり、声を掛けようとしたがガタイの良い男は大あくびをすると居間から出て行ってしまった
127:ツバサ ◆7Q1qJNYWx.
08/05/28 18:41:10 0
>>124
「よし、次はあっちだな、おろ?あいつ何かするつもりだな?おもしれぇ!」
俺は廻間に目を向けると呟く。
鬼は次の俺の命令を待っている。
「さて【我が命により刑を執行せよ】」
鬼が命令を聞くと、棍棒を振りかぶり廻間に当てようとする。
「風架!封陣縛!」
しかし、何者かの手によって阻まれてしまった。
「ん?なんだ?まぁいい【彼の戒めを解き放て】」
俺がそういうと風が分散し鬼は自由の身となる。
「ふ~まったく何処のどいつだ?無粋な、命令変更【彼の戒めのもの、捕獲せよ】」
鬼は女の声の聞こえた方向にどしんどしんと歩き出す。
【女の声の聞こえた方向に鬼が行く】
128:(文月の中の人です) ◆XzQQgkPzlg
08/05/28 19:20:16 O
>>127
「やはり鬼を縛るのは無理か……」
少女は舌打ちをすると、身を隠していた建物の陰から飛び出した。
しかし少女は鬼に構うことなく、文月の元へと駆け出した。
もとより、鬼と戦うつもりなどない。自分の力を過信して一人で戦っては、文月の二の舞になってしまう。
本家である如月家の人間としては恥ずべきことではあるが、如月千歳は分家の人間である文月よりも弱かった。これでは、如月が鬼に勝てる道理はない。
彼女は脇目も振らず、文月の元へと走っていく。自分より強い敵を倒すには、とにかく文月を助けなければ話にならない。
【現れた少女、倒れている文月に駆け寄ろうとする】
129:アルト ◆lJnztBYxY2
08/05/28 19:22:33 0
>>122
私の提案は断られた。まあ当然だろう。期待はしていなかったし。
ともかく、まずはあの場所に行こう。替えのスーツはまだあったはずだ。
予備の財布やら荷物やら、置きっぱなしで来てしまったわけだし。
「早く行きましょう。面倒は嫌いです」
幸いと言っていのかは分からないが、時間は深夜。それほど目立つまい。
私は、とある廃墟となったビルの中にテントを張り、そこに寝泊りしている。
そこに行って、まずは着替えと連絡だ。――ああ、もう、携帯までなくなってる。
「娘に手を出すのは許さない、か。
馬鹿じゃないですか、あの男は。それなら機関と関わらなければ良いものを。
自分の作り上げた娘を、自らの道具にしていることに気付いていない。
――嫌悪感しか抱けない。あまり食欲がそそられませんね、実際」
ああいうタイプは生理的に駄目だ。強い相手だというのは分かっているのだが。
考え事をしながらも、私はテントに辿り着いた。荷物が取られたりはしていない。当然だ。
ここら一帯のコンクリートの残骸を集めて、バリケードにしておいたのだから。
「ええと、着替えは… ああ、ありました。
…背負って来たはいいものの、ロンバルディーニさんはどうしましょうか。
私の着替えを使わせる気はありませんし――まあ、毛布でもかけておけばいいでしょう」
着替えを終わり、ロンバルディーニには毛布をかけて寝かせておく。
目を覚ますまで、しばらく待つことにしよう。――ともかく、今後について話し合わなければ。
【アルト:ロンバルディーニが起きるのを待つ。二日目終了間近】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
130:池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU
08/05/28 20:09:05 0
>>107>>108
俺はベッドで横になっていた。
自宅は先程の爆発以降、物音一つしない静寂さを取り戻していた。
─しかし、不意に部屋のドアが音を出して開いた。
「……誰だ?」
妙な気配だった。山田でも煌神 リンでも、籐堂院でもない気配。
俺は横になったまま、その気配の持ち主に問いかけた。
だが"そいつ"は俺の問いかけには答えず、一方的に話し始めた。
「種明かしをしてやろう、簡単な話だ。今、君達は心の迷宮の中に居る」
「初めにハーケン君。続いて近隣住宅の住民も含めた君達全員が技に掛かった――」
「――諸君、ここからが本題だ。私は君達が今どんな状況に在るのか知らない。
人それぞれ場所は違うだろう。だが、そこから抜け出るヒントなら知っている。
"迷宮のゴール"に辿りつく事。それだけだ」
男の声だった─。男は、俺が何かしらの技に掛かったということを説明しだした。
『心の迷宮』などと言うくらいだ、どうやら寝ている内に精神干渉系の異能力でも
使われてしまったらしい。
この男の言う事が正しければ、恐らくあの爆発音の辺りから俺は奴の術中に
陥っていたのだろう。
「危惧していたことが当たったな。異能者が攻めてきたのは間違いなかったらしい。
─心の迷宮……つまり、俺は『夢』を見ているということか……」
それから抜け出すにはゴールに辿り着くことらしい。
普通、異能者の掛けた技を解くには、何らかの条件を満たして解くか、
現実で術者自身を葬って解くかの二つがある。
この場合後者が不可能なので、前者になるだろう。そしてその条件とは、
恐らく俺の夢の中で登場した、術者(と思われる)を葬ること。
現時点で考えられるべきことは、これ以外あるまい。
「説明ご苦労さん。あんたは用済みだ、さぁ死んでくれ」
─瞬間、右手に凄まじい程の凍気が集中されだした。
現実世界では城栄に異能力を封印されていても、ここは俺の夢の中だ。
夢の中でさえ行動を制限される技であったら脅威であったろう。
しかしそうではなかったのだから、最大限異能力を利用させてもらう。
アイス・ストーム
「受けろ─『 氷 雪 波 』 ッ !」
─夢に現れた謎の異能者は、瞬時に破壊しつくされた一階と共に
俺の目の前から姿を消した。
131:池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU
08/05/28 20:12:58 0
姿が消えると同時に、俺の意識は目覚めた。
しかし、何故だか違和感があった。何かが変なのだ。それは部屋の風景─。
辺りを見回して、気付いた。ここは俺が寝ていた部屋ではなく、居間だったのだ。
前のソファでは山田が、椅子には煌神 リンが座って寝ている。
俺は立ち上がり、二階に続く階段を見上げた。
そこにはいつもと変わらぬ空間が広がるのみだった。
「やはり、爆発は無かったか。あれも俺の夢だった─ということだな。
……誰かは知らんが、寝ている内に殺しておけばよかったものを」
居間にまで戻り、俺は異能力を解放する─
すると、小さな凍気の塊が右手の平で滞空し始めた。
おそらく六時間ほど眠っていたのだろうか、どうやら封印が解けたらしい。
窓から差し込む朝日の光が、三日目の朝に突入したことを物語っていた。
俺は一つ溜息をつくと、階段を下り、バスルームの戸を開けた。
着ていた服を脱ぎ、髪を束ねていた紐を解き、少々寝癖のついた髪の毛を
シャワーでとかしながら、俺はまだ眠りを求めていた意識に喝を入れた。
シャワーを浴び終えると、脱いだ服を再び着込み、紐で髪の毛を束ねていく。
まだ居間で眠りこけている山田を尻目に居間を通り過ぎ、部屋に戻ると
椅子に腰を掛けた。
時間を確認しようと机に置かれた携帯を手に取り、開くと、
そこには『新着メール一件』の文字─。
メールの内容は、『三日から一週間に延長』するというものだった。
着信の時間は昨日の午後六時……。携帯が刻むデジタル時計の文字は
午前7時、狂っていなければおよそ13時間前に来ていたことになる。
まぁ、俺の携帯はバイブに設定してあるし、その時間帯には長束の屋敷に招待された
ということがあったので、気付かなかったのだろう。
一週間に延長─すなわち、期限72時間から168時間になるということ。
もっとも、この際延長しようが既にノルマを達成している俺にはあまり意味のないことだ。
機関の連中、ことに城栄はこれを俺達の寿命を刻む
カウントダウンとでも考えてせせら笑っているかもしれんが、それは違う。
むしろカウントダウンとされているのが奴らの寿命だと、その内奴らは気付くだろう。
(この俺によってな……)
「機関を片付けるまでは……山田らも生かしておいてやるか」
窓から差し込む朝日を眺めながら、俺は軽く笑みを浮かべながらそう呟いた。
【池上 燐介:夢に登場した異能者を倒したことで、術から解放される。封印も解ける。
三日目の朝(61時間目)に突入】
132: ◆7Q1qJNYWx.
08/05/28 20:17:11 0
>>128
「おいおい嬢ちゃん?これはフェアな試合だぜ?それを邪魔するとは興醒めもいいとこだな」
無視…
俺は一人で行ってるのがむなしくなってきた、となりの桜ちゃんに話し掛けてみる。
「な?桜ちゃんもそう思うだろ?」
「知りません。」
なんと知りませんときたもんか?あぁ、そうか
「いやいや、そんな彼氏が傷つきそうだからって冷たくする事ないじゃないか?大丈夫彼の貞操は君の物だって。」
その刹那俺はこの勝負の中で感じる事のなかった恐怖を少し感じる。
次の瞬間俺の意識はドロップアウトしかけた。
そうなんと驚くべき事に桜ちゃんが殴ってきたのだ
「っく?何事だ?」
【桜に殴られびっくりする】
133:神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA
08/05/28 20:27:30 0
>>114
「今日はひとまず休息を取ろう、あんたも私も能力を使いすぎた」
的確な判断だ。俺は死ぬことがないがこの男には再生能力は無い。
今うろついても死ぬのがオチだろう。そしておもむろに寝袋を引っ張り出し
小型のソファを…それは簡易ベットになり、これの使用を進めてきた
「弾痕が付いてるが、よければ使ってくれ。まさか棺桶で眠りたいとは・・・いや冗談だ」
見ると確かに弾痕が付いている。恐らくこの男も何者かに襲撃されたのであろう。
だが寝るには申し分ない。遠慮なく使わせてもらおう。
棺桶で眠るというのもまた一興だが、それは次の機会としよう。
「とりあえず明日、近所の薬局でいろいろと揃える。それに・・・
治療品のある場所には必ず来るはずさ、異能者が・・・ではお休み」
そう言うと宗方は眠りに付いた。俺も休息をとる…が
その前にやることがある。
宗方が眠っているのを確認して、神重は外へ出た。
外はまだ暗い。月明かりが街を照らしている時刻なのだから。
「さて…そろそろやるか」
そう言って左腕に切り傷をいれ、血を地面に落とす。
(さて、智が知りたがっていた能力を見せてやろう)
(…一体何をするつもりだ?)
(見てのお楽しみというやつだ)
「血は…こんなもんでいいか。さあ、俺のかわいいペット達よ
俺のために血を集めてくれ…『吸血蝙蝠(ブラッディバット)』」
そう言うと、流れていた血が紅い蝙蝠に変わっていく。
(これは一体…!?)
(これがさっき言ってた能力さ。こいつらには血を集めてもらう)
(血を集める?)
(俺の再生能力は無限だが…血があれば再生能力と他を強化することができる
今日の男達の戦いはそのストックがないせいでやりにくかったからな…)
キキキ―キキッ―
見ると数百匹単位の蝙蝠が神重の上空に集まっていた。
「さあ…散れ!」
合図をかけると一斉に蝙蝠が各地へ散らばっていく。質は選ばない
血が得ることが出来ればそれでいい。異能者の血を…。
それが終わると神重は宗方の用意してくれたソファまで戻り…
「俺も寝るか…おやすみ。智」
神重は深い眠りについた。
【神重:吸血蝙蝠を生成し、各地に派遣する。神重による正確な制御は不可能
蝙蝠の見た映像は神重にも伝わる、異能者を発見すると血を吸いに襲い掛かります】
134:国崎シロウ@代理
08/05/28 21:17:20 0
>>77,106,118,125
失意にあった俺の肩が叩かれる感触。振り向くと、先程気絶していたモノクロな頭髪をした男がいた。
怪訝な表情を浮かべかけた俺だが、男の表情はとても親近感の沸くモノで、
それは俺の粉みじんになったプライドを慰めてくれた。
「……ありがとよ。オマエさん、いい奴だな」
アンダードッグな経験直後の野郎二人組。端から見ればかなり情けない光景であること請負だろう。
そうして俺は、少し気を引き締めて立ち上がる。いつまでもこうしている訳にも行かない。
時間は無限ではない。やるべき事をやらなくては。
「さて……それじゃあ行くか。オマエさんにも話す事があるから、
時間に余裕があるなら居間に戻ってくれ」
居間には、恋島と自分で治療したと見える葦川、更に七重――って、寝てやがる!
俺は、この青年の神経の太い行動に、眼帯の上を指で掻きながらどうした物かと思考したが、
(……まあ、どっちとも取れる話し方をするつもりだったが、寝ていてもらった方がありがたいか)
そう考え、とりあえずそのまま話を始めることにした。
「……まあ、お前さん達も何か用があってここに来たんだと思うし、忙しいと思うが、
ここにいるのも何かの縁だ。一応話をさせてくれ。
お前らも見たり体験したりして、人によっちゃあ俺よりも知ってると思うが、
この町は今ヤバイ状態だ。そこら中で暴れてる奴等がいて、ゲリラの村みてぇにそこらの
奴に襲い掛かってやがる」
そこで一旦止め、様子を伺う。
恋島と葦川は身を持って体験したからか、割合簡単に事情は飲み込めるだろう。
恋島の方は、どちらかといえば表側の人間の空気がするが、それでも現実に確実に起きた事を
否定する事は無いと思いたい。
葦川の方は……表情からは何考えてるんだか読めない。
この女、ギャンブルやらせたら強いんじゃないか?等と考えつつ、俺は最期の一人がいる方へ目を向ける。
恐らくだが、この男も裏側の人間では無いにせよ、一般側の人間では無いだろう。
ここ最近の現状を見て、この男だけ一般人と考えるのは無理がある。
まあ、一応その可能性も鑑みて、俺は先程から対七重用の曖昧な物言いしかしていないのだが。
彼等それぞれの様子を見てから俺は、そのまま先を続ける。俺の最も言いたい事を。
「……それで、だ。簡単に言うと、お前ら今晩は全員店に泊って行け」
唐突の提案に、何人かが怪訝な表情をしたように感じる。俺は、軽く頭を掻きつつ続きを話す。
「あー、唐突なのは解ってる。けど、考えてみろ。お前さん達がどこに宿を持ってるのかは
知らんが、この町中で暴れている暴徒共がいる。で、そいつらがどこにいるか解らない。
そんな状況で、夜に高々数人で家にいる、或いは、誰がいるかも解らないホテルに戻る行為が
どういう結果を呼ぶかって事を。それを考えれば、この店はこの町の他の場所より、
安全だと思って、今こういう話をしてんだ」
実際問題、機関の人間がホテルに泊まっている可能性は随分と高いし、この店は他の場所より
どころか、この町でもトップクラスに安全なのだが、そこまでは言えないので黙っておく。
とにかく俺は、今日の戦いぶりを見る限り、最低連れてきた二人の身の安全だけは保障したかった。
「……まあ、俺の自己満足だし無理にとは言えねぇからな。帰るなら止めんさ。
ただし、もし帰らずに残るなら――成人限定で酒を奢ってやる!」
不適に笑って取り出したのは、朝置いたままだった酒。割といい品だった。
【国崎:精神回復。あくまで一般人として現状に曖昧に触れつつ、
全員に泊っていく様に薦め、酒を勧める。尚、七重が本当に寝ているかどうかは
確認していない。正体不明な梓川にはやや警戒気味】
135:名無しになりきれ
08/05/28 22:41:11 0
「ふぁ…」
リンは目を覚ましたようだ、まだ戦場ヶ原は眠っている。
リンは、洗面所で顔を洗い髪を解かす、髪は結わずに後ろに垂らしたままだ。
久し振りにメールをチェックしてみる。
「あぁ、みんな心配してくれたんだ」
リンはメールを順々に見ていく、その中の異能者の戦いの期間の延長のメールを見る。
「はぁ…やっぱり期間の延長か…」
少し予想していた事だが、それはいいだろうと考え携帯を閉じる。
リンは大きく伸びをして、戦場ヶ原の寝ているソファに近づく。
戦場ヶ原の寝顔を見て、リンは少し微笑をもらす。
昨夜の戦場ヶ原の気づかいを思い出し、穏やかの笑みのままただ戦場ヶ原の顔を見つめる。
ただただ、戦場ヶ原の目が覚めるまで。
リンは思考する、兄のこと自分の中のことそして自分の気持ちの事。
兄は何処いるのか、いやこれはなぜか近くにいる気がする。
自分の中には何が入っているのか。
そして自分が戦場ヶ原に抱く感情はなんなのか。
それは今はわからないただ、いまはこの人の寝顔を見ていようと思った。
【煌神:三日目早朝、戦場ヶ原が起きるのを待つ。】
136:煌神 リン ◆7Q1qJNYWx.
08/05/28 22:43:19 0
>>135ミスりました
名前入れ&安価付け
安価は>>131です
137:廻間 統時 ◆7VdkilIYF.
08/05/28 22:53:39 0
>>124
刀を、振り上げる。その瞬間、聞いた事の無い少女の声が響いた。
>「風架!封陣縛!」
瞬間、風が鎖となり鬼の体を縛り上げその動きを止めた。
恐らく俺と同じ系統の能力者か?自然に存在する物を物質へと具現化する能力。
その鎖の戒めは、間違いなく鬼の戒めを止めてはいた。
>>127
しかし、鎖などで人外である鬼は止められないのだろう。
風の鎖を引きちぎり、声の主である女を捜し求め歩き回る。
捜し求めとは言ったが、声の方向は分かっていたのでその方向に歩いた。
>>128
鬼の歩いている方向から、一つの人影が飛び出す。
影の正体は、やはりと言うべきか女。声からして女だったのだから、当たり前といえば当たり前である。
少女は鬼には見向きもせず男へと走り出した。
しかし、それをただ見逃すような鬼でもない。少女に向かって凄まじい勢いで棍棒をスウィングする。
さて、こういうのもなんだが俺にはこの少女を助ける義理などたったの一つも無い。
しかし、俺は自分でも分かってるがお人よしだ。それも、けっこう重度の。
(まったく、世話の焼ける)
俺は自慢の脚力を活かし、少女を抱え瞬く間に男の下へと運び少女を下ろす。
いきなり俺に抱きかかえられた少女は、何が起きたか分かっていないようだった。
「あの鬼は俺が相手をする。俺を援護するのか、ここから逃げるかはお前の好きにしろ」
そう言い残し、俺は鬼へ突進した。
>>132
(…さて…空間斬なら、当たりさえすれば勝ち目はある。
だが、この鬼の一撃。当たれば…間違いなく俺は…)
鬼の攻撃を避け続けながら、思考を続ける。
分かったが、この鬼の攻撃は破壊力こそズバ抜けているものの大振りすぎる。
俺の動体視力と判断力とスピードを組み合わせれば、避けるのは簡単だ。
なので、この状況の打開策が見つかるまでは鬼の攻撃を避け続けることにした。
…一瞬の隙さえつければ、一撃を浴びせることは可能かもしれない。
しかし、あのツバサが隙を見せるのか?予想外の行動をとれば…隙は生まれるかもしれないが…
ツバサを見れば、桜に何かをささやいている。
口の動きは分かるが、俺は読唇術を身につけていないので何を行っているかまでは分からない。
と、次の瞬間。
(!!)
ツバサが桜に殴られ、そこに一瞬の隙が生まれる。
それを見逃す俺ではない。俺は、すでに何度目か分からない大振りな鬼の攻撃を避ける。
「そぉこだぁ!!」
そして地を蹴りその時に生じた爆音と共に、ツバサに近づき太刀を振り上げた。
【廻間:ツバサに一撃を放つ。攻撃の威力調整は、任せます】
138:ツバサ ◆7Q1qJNYWx.
08/05/28 23:21:59 0
>>137
「そぉこだぁ!!」
そして地を蹴りその時に生じた爆音と共に、ツバサに近づき太刀を振り上げた。
桜ちゃんに殴られ、少しばかり意識がドロップアウトしかけたところで隙が生じたのか、
「かはは、これはいいこうでなければな」
俺は笑いながら数メートル飛ばされると体を回転させそのまま着地する。
「アハハハッ!少し調子に乗りすぎたか?【我が契約の使命に則って貴公の姿を隠せ巣窟の蒼鬼】
『御意に、』
鬼の姿が足元から徐々に消えていく。
「さて、これは君たちの勝ちかな?何にせよ俺は一撃貰ってしまったからな。」
俺がそう飄々と喋っていると見知った女が一人いきなり現れた。
「なんだ、空雲か?俺は今楽しんでんだ邪魔するんなら後にしてくれ」
「不肖、私電話を預かっておりますので」
「電話?誰からだ?」
空雲は、金剛だといった
「あん?なんだ金剛、俺は今たのしんでんのによ~え?何レオーネが失敗?
へ~あいつもよく失敗するな、で何?うんうん、俺に?行ってもいいのか?」
俺は金剛からの電話を聞いて眼を輝かせる、久し振りに妹に会えるのだ拒否する理由がない。
「それなら早々にここを消えることにするか。」
俺は電話を切り相手達を見る。
「さてさて、俺はちょっと急用ができた。空雲、送ってってくれるか?」
「御意に…」
よし、俺はこれからリンを攫いに行かないとな。
明日になるがしょうがないだろう、俺の能力はめんどくさいしな。
「さて、今回は負けにしておこう、つぎ合うまでにキリスト教にでも懺悔してるといい
次にあうときは俺は完全にてきだ!」
そう格好をつけて、立ち去ろうとすると躓いて転んでしまった。
せっかく格好ついてたのに…俺は自分の足を恨みながら立ち上がり空雲の運転する車に乗った。
【ツバサ:金剛によりリンの捕獲を命令される。】
【能力値には関係ありません】
139:戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg
08/05/28 23:22:01 0
>>107-108
長い―とても長い夢を見ていた気がする。
戦場ヶ原は窓から差し込む眩い朝日に目を覚ました。
上体を起こし、彼は暫しの間寝惚ける頭を揺らして記憶を整理する。
夢の内容はこうだ。
彼が池上邸で眠りについているところに、突如襲うすさまじい爆音と衝撃。
驚いた彼は目を醒まし、籐堂院やリンとともに外に出る。
そこには機関の人間と思しき二人組の外人がいて、そこから記憶が飛び、
彼の目の前には死んだはずの滴が立っていた。
彼が滴に手を触れようとしたその時、彼女は何かを口走り…、
そこで夢から覚めた。
「やれやれ…疲れてんのかね、俺も。」
奇怪な夢を見た自分の精神構造に呆れながら、彼はのっそりと起き出す。
自分の体に目を移すと、昨日受けた致命傷のほとんどが回復していた。
能力が封印されたとて、その人外じみた治癒機能までは封印されなかったようだ。
7時間近く睡眠をとった戦場ヶ原の体は、冬眠を終えた獣のように闘気に満ち満ちていた。
ふと、自分に向けられた視線に気づく。
そこには能力を封印され大人の身体になったリンの姿があった。
あどけない顔の面影そのままに、妙齢の女性の持つ未発達な色気が漂うその姿は、より戦場ヶ原の思い描く天音 滴のそれとだぶるところがあった。
数秒その姿に見とれていた戦場ヶ原であったが、すぐに顔を逸らし、そっけない態度で言葉を発した。
「…リン。ここを出るぞ。」
言うなり彼はソファから立ち上がり、行動の支度を始めた。
「能力が封印された今、一か所にずっといるのはマズい。…それにここはあの氷野郎の家だ。
奴が必ずしも無害とはとても言えねぇからな。」
そう言いながら彼は部屋の中をうろつき回り、折角だから少しでも足しにしようと金目のものを物色していた。抜け目のない男だ。
「・・・お。」
タンスの中から上等な浴衣を見つけた。ボロキレのような着物をいつまでも着てるわけにもいかない。
見つけるなりその着物を破り去って池上の上等な布地の藍色の浴衣を身にまとった。
なぜ江戸時代の浪人のような格好ばかりなのかと言えば、それは完全に彼自身の趣味だった。
久しぶりに質のいい服に着替えて若干上機嫌な戦場ヶ原であったが、あくまでその感情を外に出すことはなく、
いつもの仏頂面でリンを伴って外へ出た。
午前7時。街が動き出す少し前の時間帯だ。
戦場ヶ原は2~3歩歩いて池上の豪邸の威容を今一度仰ぐように振り返ると、池上がいるであろう部屋へ向けて、大声で別れの挨拶をした。
「池上燐介ェ!!!俺たちは貴様の言った通り好きにやらせてもらうッ!!
だがなァ!俺たちの邪魔をすることになったら、今度は容赦なく叩き潰してやるからなァ!!!」
あれだけ惨敗したというのにこの強気な態度は、もはや死ぬまで治らないだろう。
しかしそれだけ、戦場ヶ原は嬉しかったのだ。『強敵』との出会いが。彼は池上に敗北したが、3年前の金剛に惨敗した時のような無力感や絶望感はない。
むしろもっともっと強くなって、池上や金剛を超えるだけの力を手に入れる――。そんな前向きな感情が、今の戦場ヶ原を支配していた。
「おい!朝っぱらからうっせーぞ!!」
戦場ヶ原の非常識な大音量の咆哮に、池上の家から斜向かいの家の窓から中年男が顔を出して怒鳴る。
戦場ヶ原がそれに対して鋭く睨みつけると、男は驚き怯えて引っ込んでしまった。
能力はない。だがその眼光から溢れ出る殺気は、失われることなく戦場ヶ原の身を濃く包んでいた。
「あばよ!!」
高らかに池上に対して別れを告げると、戦場ヶ原はリンを伴って宛てもなく歩きだした。
【戦場ヶ原:池上・籐堂院と離脱。リンと同行。現在位置は池上邸付近。】
140:煌神 リン ◆7Q1qJNYWx.
08/05/28 23:45:07 0
「あばよ!!」
高らかに池上に対して別れを告げると、戦場ヶ原はリンを伴って宛てもなく歩きだした。
>>139
しばらく歩いたところでリンが声をかけた
「あの、天さん?今から何処に行くの?」
とりあえず何処に行くかは知っておいた方がいい。
いつのまにかタメ口になってるのは長く(と言ってもたったの一日だが)いたせいだろう。
「行くところが決まっていないなら、私お風呂に行きたいんだけど…」
リンは控え目に言う。
もう二日ほどお風呂に入っていない、それに戦場ヶ原とてレオーネに言われたばかりだろう。
「あ、でもだめなら薬局とかでもいいんだけど…だめ?」
上目遣いで戦場ヶ原に聞く。
確かに年頃の女の子にお風呂抜き二日はきついだろう、それ以上にリンは戦場ヶ原を意識しているのだ。
先ほどから、チラチラとこちらを見てくる人が多いそれをリンは匂うからだと思っていた。
(実際は特徴的な赤髪に着物やメイド服を着ている若い男女が珍しいだけのようだが)
【煌神:戦場ヶ原にお風呂を要求。】
141:恋島達哉 ◆KmVFX58O0o
08/05/28 23:59:38 0
>>134
頭上の蛍光灯をぼーっと見て暇を持て余していると、何だかぼんやりと昔の事を思い出す
そういや叔父さんが死んじまってからもう2年経つんだな。あの人のお陰で俺は今こうしている
…けど結局デカイ新聞社には就職できなかったな。親父と叔父さんには悪い事をした
そんな感慨に耽っていると、学生と国崎さんが戻ってきた。あのガタイの良い男は戻ってこない
ご就寝したのかもしれない。まぁそれはそれで健康…ってもうかなり深夜か
学生と国崎さんが座り、国崎さんが俺と芦川さんと学生を一瞥すると話し始めた
>「……まあ、お前さん達も何か用があってここに来たんだと思うし、忙しいと思うが、
ここにいるのも何かの縁だ。一応話をさせてくれ。
お前らも見たり体験したりして、人によっちゃあ俺よりも知ってると思うが、
この町は今ヤバイ状態だ。そこら中で暴れてる奴等がいて、ゲリラの村みてぇにそこらの
奴に襲い掛かってやがる」
…この町の住人は悪魔にでも取り付かれたのか?と口に出そうになり止める
まぁ夜になると人間って開放的になるからね~特に満月の夜とか。というバカな妄言は置いといて
しかしどうすりゃ良いんだ。そんじゅそこらの奴らが襲いかかってくるなんてホントにどうかしてる
激しくオカルスティックな予感がするが、危険度が限りなく高いというかもうそんな次元じゃない気がするぜ、今回の仕事は
というか最初の町に着いた時点で誰も襲ってこなかったのはかなり幸運だったんだな
考えてみると。そういえば…葦川さんに初対面した時、彼女は結構深い傷を負ってたな。…おいおい
国崎さんの話を全面的に信じる気には正直なれないが、とにかく町が物騒かつやばい事になって事だけは理解しておく
そしてそんな町で仕事しなければならないと考えて軽く、いや重くブルーになる
他の二人の反応を伺うと、二人とも何か考えている様な表情だ。どんな事を考えているかは分からないけど
少しばかり場が沈黙する。が、国崎さんがそんな雰囲気を変えるように明るい音色で言った
142:恋島達哉 ◆KmVFX58O0o
08/05/29 00:00:59 0
【>>141の続きです】
>「……それで、だ。簡単に言うと、お前ら今晩は全員店に泊って行け」
…流石にそれは悪い。俺自身はあんたのお陰で助かったんだ。それでも感謝しきれないってのに
しかし正直に言うと怖くて堪らんがな。さっきの話のせいで。つうか今外に出ると悪い予感しかしない
…大人しくしていようかな。考えが纏まらずぼんやりとした頭でふらついていると、国崎さんが二言目を発した
>「あー、唐突なのは解ってる。けど、考えてみろ。お前さん達がどこに宿を持ってるのかは
知らんが、この町中で暴れている暴徒共がいる。で、そいつらがどこにいるか解らない。
そんな状況で、夜に高々数人で家にいる、或いは、誰がいるかも解らないホテルに戻る行為が
どういう結果を呼ぶかって事を。それを考えれば、この店はこの町の他の場所より、
安全だと思って、今こういう話をしてんだ」
物凄く理解。及び同意。…って待て俺。散々国崎さんに迷惑掛けておいて次はここに泊まるだぁ?
流石に虫がいいというか面が厚すぎるだろう。呆けた脳みそに冷や水を浴びせ、俺は国崎さんには悪いが店を失礼しようと考えた
その時だ
>「……まあ、俺の自己満足だし無理にとは言えねぇからな。帰るなら止めんさ。
ただし、もし帰らずに残るなら――成人限定で酒を奢ってやる!」
国崎さんがドンっとテーブルに一升瓶を俺達の目の前に置いた。…こ、これは
…まずい、誘惑振り切って…だが俺の目は目の前の一升瓶に釘付けだ。毎回安い発泡酒でチビチビやっていた俺にとってはなんという誘惑
だがこれ以上…これ以上…
「…一日だけ、お世話になります。国崎さん」
いつの間にか俺は正座して、国崎さんと向かい合っていた。こんなんだから駄目人間なんだよな、俺は
【長考の末、国崎薬局に寝泊り】
143:五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA
08/05/29 00:11:21 0
「道に迷ったか・・・」
いきなり寝てしまい起きてみれば見知らぬ土地
突如として襲い来る山の様な蝙蝠の群れ!!
これが迷っていなくてなんと言う
>>133
「ってこの私が蝙蝠の餌食にされているだと?」
手で払いのけようとすると手に噛み付く
武器を出そうとしたら首に来る
「くっ、手ごわいっ」
やっとの事で大型石弓『バリスタ』を取り出す
その楔の様な先端に自らの血を詰めた血袋をくくり、何も無い方向へ発射
逃げ出した
「運命を見るこの私はこの様な所で死にはせんっ」
【五徳:蝙蝠に襲われ死に掛ける。貧血気味に】
144:葦川妃映 ◆oov3HbsEaA
08/05/29 00:23:40 0
>>125>>134
居間に戻るといつの間にかカレーは片付けられていた。
食事(?)が終わった各々は、それぞれ思い思いの行動をとっている。
それぞれが共通点の薄い他人ならばこそ、まとまりが無いのは当然だ。
だけれど、暴れたり泣き出したりする人間がいないということはとても重要。
睡眠も、メモも、各々が結果的には生き延びるために繋がる行為。
そう。少なからず危機感の共有はできていると見て良い。
そんなことを考えていたら、国崎と青年が居間に戻ってきた。
>「……まあ、お前さん達も何か用があってここに来たんだと思うし、忙しいと思うが、
ここにいるのも何かの縁だ。一応話をさせてくれ。
お前らも見たり体験したりして、人によっちゃあ俺よりも知ってると思うが、
この町は今ヤバイ状態だ。そこら中で暴れてる奴等がいて、ゲリラの村みてぇにそこらの
奴に襲い掛かってやがる」
一旦止めて各人の反応を見る国崎。
特に驚きもせず静かに話を聴いていたが、それが彼の目にはどう映ったのだろうか。
頼りないとは思われたくないけど、落ち着きすぎていて怪しまれるのも厄介だ。
とはいえそれに沿った反応など即席でできるはずも無く、とりあえずうなずいて見せた。
>「……それで、だ。簡単に言うと、お前ら今晩は全員店に泊って行け」
この言葉にも、ただ頷きを返しただけだ。彼が断ったとしても薬局の玄関先で寝るつもりだったし。
どうやらここに集まっている者は国崎を除いて、戦闘力に乏しい者だと容易に想像できる。
だが、戦闘力が乏しいということは、異能をその他のことに活用できる可能性が高いということ。
異能で行える小さな小細工も、何人もの能力で、何十ものパターンを作れれば相当厄介な物となる。
まあそこまでは行かないとしても、かなり使い物になると思う。
だから私は賛成するけど……他の人間がなんて言うかがちょっと心配ではある。
「ま、私ははじめから決めてたしね。宜しく、国崎さん」
そういうとコップを取って、国崎の出した酒をコップ半分ほどまで注ぐ。
「ちょっと出血で体力が危ういのよ。寝酒としてもらうわね」
そのまま一気にあおると、冴え渡っていた思考は淀み始め、身体の力が抜けていく。
「美味しかったわ。じゃ、お先にお休み」
【葦川:国崎薬局で睡眠中】
145: ◆oov3HbsEaA
08/05/29 00:54:50 0
【研究室】
「金剛さん…来たの?」
地上108階の秘密の研究室。大勢の研究員が作業を続ける中、白衣を着た背の低い女性がパスコードを入力して入室。
そのままつかつかと『博士』の前まで歩いていき、彼に問う。
「ひぇっひぇっひぇ、来たとも。ようやく念願が成就するからのう」
「……そう」
視線を向けることなく嬉しそうに答える老人に、短く応えると、彼に小さな琥珀色の塊を渡す。
「なんじゃ。随分と少ないじゃないか」
文句を言うときすらこちらを見ない。この老人にとって、他人とはそれほど関心があるものではないのだ。
自身の手で狂わせた実の孫娘にすら─
「明日たくさんとってくる。異能は魂。魂は異能」
「ひぇっひぇっひぇ……お前の頭脳と異能があれば簡単なことじゃろうて」
女性も、博士に目を合わせようとはしなかった。自身のデスクの上のノートパソコンと、器具を手に取り再び外へ。
「じゃあ……行って来る」
ノートパソコンの画面上に浮かぶのは貳名市の地図。そしてその上に散らばる無数の黄色い点。異能者たち。
それぞれの輝きの度合いを自動で計測し、それぞれのおおよその状態を表示する。
「魂…命……未来……もらう」
[貳名市に駐留、または出向予定の機関員全員にメール]
『明日、8:00~8:20の間は貳名駅に近づかないことをオススメ』
『17:30~17:20も同様。お気をつけて』
No.101『殲滅』
146: ◆oov3HbsEaA
08/05/29 00:55:58 0
誤:17:30~17:20も同様
正:17:30~17:50も同様
147:籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6
08/05/29 01:19:49 0
>>119
窓から朝日が差し込み、私は目を覚ます。
昨日はレオーネとの戦いの最中倒れたのに池上の自宅に居ることを考えると、師匠がうまくやってくれたのであろう。
私は昨日寝ているうちに、体中にまとわりついた汗を流すためにシャワーを浴びた、驚くことにこの部屋には隣にバスルームにトイレ、冷蔵庫までもが備え付けられている。
しかし、着る服がない、元々着ていた服は汗臭くとても着ていられるものではなかった。
後で池上に用意して貰うか、私はすこしだらしないと思ったが黒いショーツに黒のキャミソールのまま部屋から出た。
そのまま私は一階に降りて、服を洗濯機に入れてから台所に行く、昨日のうちに米をといで炊飯器でタイマーをセットして
いたのだ、それと冷蔵庫にあった魚を焼き、適当な野菜で味噌汁を作る。
最近はまともな食事を取ってなかったので、せっかくだから色々と作らせて貰ったのだ。
勿論私の分だけではなく池上の分も作っておいた、何せこの家の主であり、この食材の持ち主なのだから私だけというのは悪い気がしたからである。
他の二人に関しては私に何も与えてくれてないし、私もわざわざ朝食を作ってやるほど優しくない。
「瑞穂の料理はうまいんだから、ちゃんと料理しろよ」
「最近は物価の高騰が激しくて、食材など買っている余裕がないのですよ、師匠」
私は師匠の小言を軽く流すと、慣れた手つきで皿に盛りつけ、配膳していく。
過去に師匠や組織の仲間の食事をずっと作っていたので料理することは嫌いじゃないし、そこそこ上手いという自覚もある。
「よし、完成だ、後は食べてくれるかは分からないが池上を呼びに行くか」
「池上燐介ェ!!!俺たちは貴様の言った通り好きにやらせてもらうッ!!
だがなァ!俺たちの邪魔をすることになったら、今度は容赦なく叩き潰してやるからなァ!!!」
唐突に戦場ヶ原の怒鳴り声が聞こえてくる、やっぱり奴らの朝食は作らなくて良かったみたいだ。
私は池上の部屋の前に行き、ドアを軽くノックする。
「池上、起きているか?勝手ながら朝食を作らせて貰った。
たとえ異能力者であっても朝食を食べておかないと今日の生活に支障をきたすぞ、強制はしないが食べておくと良いだろう
それと出来ればで良いのだが着替えをくれないか?今日一日着ていく服がないのだ
ただし、煌神が着ていたメイド服はお断りだ、私は身長も君とあまり変わらないから、君の服をくれると嬉しい」
私はそれだけ言うと、食卓に戻り先に朝食を食べることにする、もし着替えをくれなかったら服が洗濯し終わり乾くまでこの家に居座るだけだ。
最近はあまり料理をしていなかったが、腕は落ちていないようで十二分に美味しい。
まぁただの焼き魚と白米に味噌汁という簡易な食事だ、美味しいというより当然の味なのかもしれない。
そういえば今日はあのメールが届いてから三日目、初めは何でもない嘘かと思ったが、『機関』の幹部達に襲われた今なら信じられる、あれは真実だろう。
とすると、この日が終わるまでにもう少し能力者を倒さなければ私の身があぶない。
今日も街を彷徨いてみるかな、この街はもう戦いの中にある、自然と異能力者に出会うことになるはずだ。
私はいつか訪れるであろう戦いの予感に胸を躍らせていた。
【籐堂院瑞穂:三日目突入 朝食を食べている 携帯がないため期限が一週間に延びたことをしらない】
148:レオーネ・ロンバルディーニ ◆GWd4uIuzU6
08/05/29 18:48:00 0
>>129
――鈍痛が体を駆け巡る感覚で覚醒した。
衣服と腕時計が消えている。代わりに毛布が私の体を覆っていた。
痛みに耐えて体を起こそうとすると、右腕が動かない事に気付いた。
先程からの鈍痛の原因はこれだったようだ。
「腕が…折れてるな……」
徐々にだが気を失うまでの過程を思い出していく。
あれは『私と私の世界』……、間違いない籐堂院 神だ。
奴は剣から義娘の体に何らかの方法で自身の精神を移したのだ。
"アリス"まで使ったのに、このザマとは情けない。
「すまない、城栄……」
戦闘に負けた事よりも、友人の信頼と期待を裏切ってしまった事が私の心を深く抉った。
『フランクミューラー』が消えているという事は、『機連送』も消えているな。
本部に調達しに行かなければ……。いや、その前に着替えとシャワーだ。
周りを見渡すと、どうやらテントの中のようだ。生活臭からしてここ最近立てられた物だ。
――誰かの隠れ家か?
私は毛布をバスタオルのようにして体を包むとテントから出た。
【レオーネ:現在地 アルトのテント】
【籐堂院 神に負けた事により4/3→3/3】
149:アルト ◆lJnztBYxY2
08/05/29 19:20:15 0
>>148
朝になった。ともかく食事を用意しようと思う。
異能者を食べる私だが、別に普通の食事をしないというわけではない。
異能者を発見する前に飢えることがないように、インスタント食品をいくつか持ち歩いている。
熱量を操作し、お湯を沸かす。単純に火を使うよりも調節が効いて便利なのだ。
「…と、そろそろ起きた頃合ですか」
テントの中から気配を感じる。―多分、気が付いたのだろう。
彼は毛布で体を包み、テントから出てきた。
「やっと起きましたか。お互い災難でしたね、ロンバルディーニさん。
……食事はいりますか? インスタントしかありませんが、味にバリエーションはありますよ。
機関に連絡をつけるにしろ、まずは何かお腹に入れておいた方がいいですよ」
言いつつ、自分の分のインスタントラーメンを完成させる。ちなみに味噌味だ。
「それで、何味がいいですか? 醤油と味噌と豚骨と、あとは塩ぐらいしかありませんが」
【アルト:インスタント朝食】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
150: ◆7Q1qJNYWx.
08/05/29 21:35:04 0
俺は空雲の車の中で考え事をしていた、
リンの事だ、それ以外で俺に悩み事なんてそうそうない。
先程戦った廻間とか言うやつもリンと同じ学校だそうだ。
まさか彼氏なんてできてないよな?やっぱエレミアとかお嬢様学校に入れとけば良かった。
第一金剛はリンを使って何をする気なんだ?
破廉恥なことだったら全力で対立するが。
まぁいい、今はとりあえず考えるのをやめよう。
とりあえず能力の更新をしとかなければな、
「空雲、少し車をとめてくれ。」
「御意に」
車を止めてもらい俺は適当に女をナンパする。
その女を路地裏に連れ込み殴って気絶させる。
「すまんな…【我、祖の主、主として契約を果たす】」
女を縄で縛り、能力を発動させる。
亡者が出てきて、女を地割れに連れて行く。
きっとあの女はこの世で最悪の屈辱を思い知りながら殺されるだろう。
「【その魂に永久の安らぎを…】はぁ…」
「終わりましたか?」
いつのまにか、空雲が後ろにいた。
「あぁ、見ていたのか」
「えぇ、主人にこんな事を言うのもなんですがあまりこれは好きではありません」
「俺もだよ、あぁ、お前も契約か」
「はい、しかし弓道もいますので本部に帰ってからでかまいません」
俺は空雲と車に乗り込もうとする。
すると空雲が何か思い出したのか、こちらを見てくる。
「すいません、ご主人様少し薬局によってもよろしいでしょうか?」
「あぁ、かまわんだが俺はほとんど能力が使えないからな。」
空雲はわかっていますといって車を動かす。
「あぁ、でも明日まであいてないだろうから今日は薬局の前で車に乗ったまま寝る事にするよ」
「はい、お休みなさいませ、ご主人様」
俺は空雲の声を聞きながら意識を手放した。
【ツバサ:国崎薬局の前で就寝、目が覚めてから入るつもり。】
151:池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU
08/05/29 21:53:25 0
>>139>>147
「もしもし、店長ですか? 池上です。シフトのことでお話しておきたいことがありまして。
えぇ……これから四日、いえ一週間ほど旅行に行くことになりまして……
そうです、この時期にです。ですから、しばらくバイトの方には顔を出せませんので……」
>「池上燐介ェ!!!俺たちは貴様の言った通り好きにやらせてもらうッ!!
>だがなァ!俺たちの邪魔をすることになったら、今度は容赦なく叩き潰してやるからなァ!!!」
(……黙って出て行けば良いものを……いちいちうるさい奴だ)
「いえ、何でもありません。それより、えぇ……そういうわけでなので、申し訳ありません。
はい……はい……分かりました、では」
電話を切る。電話の相手は、バイト先のコンビニの店長だ。
バイトは週に三回程あるのだが、しばらくは機関の連中を相手に
闘いの日々が続くことだろう。そう判断した俺は、バイト先でしばらくの
休養を申し出たところだったのだ。
途中、山田のやかましい声に邪魔をされ、電話越しで店長に何か厄介な
事件にでも巻き込まれたのかと言われたが、何とか誤魔化すことができた。
窓から外を覗くと、山田と煌神 リンの二人がこちらを背にして立ち去ろうとしている。
「容赦なく叩き潰す……か。……全く、おめでたい奴だ」
半ば呆れ顔にそう呟くと、俺は窓に背を向けた。
調度その時、俺の部屋のドアがノックされた。
ノックしたのはどうやら籐堂院。朝食を作ったので来いとのことらしい。
彼女は朝食を作った代わりに、ということではなさそうだが、
着替えを用意してくれと付け加えた。
(まぁいい、その代わりということにして服ぐらい貸してやるさ)
俺はタンスの戸を開け、上下黒の服を取り出し、それを持って部屋を後にした。
籐堂院は食卓で、女としては少々「はしたない」と言える格好で食事をしている。
見るとそんな籐堂院が身に着けている下着の色は、俺が用意した服の色と同じであった。
こちらが意図的に色を合わせたと思われるの嫌で、俺は渡すのを一瞬躊躇したが、
そ知らぬ不利を決め込み、結局はそのまま服を渡すのだった。
服を渡した俺は空いている席に着き、並べられた料理を一望した。
味の方はどうかは知らんが、メニューとしては俺好みのものが揃っている。
もっとも、こちらの好みを知った上でのメニューではなく、
単に籐堂院自身が和食派なのだろうと解釈したが。
「では、遠慮なくいただこう。……いただきます」
両手を合わせて、人間の糧となってくれる食べ物に感謝の意を表し、
俺は食べ始めた。
焼き魚を箸で綺麗に割き、口に運んでいく。そして味噌汁をすする。
……意外と言っては失礼かもしれないが、これは俺の口に合っていた。
もしかしたら俺より味付けは上手いかもしれない。
まぁ、俺は今まで料理修行など全くせずに、これまで我流で料理をしていた身だ。
もし籐堂院が料理について通じていたなら、この結果は当然であるかもしれない。
「……旨いよ、十分ね」
思わず口でそう零したが、相変わらず俺の表情からは感情が窺えない。
─それからはお互いに喋ることも無く、黙々と食事を続けていった。
俺が次に言葉を発したのは、食事を終えてからだった。
「見た感じ、山田は気付いていなかったようだが……夕べは異能者が襲って来たんだろう?
まぁ、家に居た全員が生き残っていたんだから、お前が約束通り追い払ってくれたんだろうがな。
……とりあえず、ご苦労さんと言っておく」
【池上 燐介:籐堂院に服を渡し、食事を追える。】
152:籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6
08/05/30 01:38:43 0
>>151
池上は私が朝食を食べ始めてから少しすると食卓にやってきた。
その手には上下黒の服を持っている。
私の下着に合わせてくれたのだろうか、見かけによらず気の利いたことをする男だ。
服を私に渡すと池上は朝食に目を通すと椅子に座る。
「では、遠慮なくいただこう。……いただきます」
両手を合わせきちんと食前の感謝をした後で食べ始める、池上の礼儀作法を重んじる態度には好感が持てる。
食べ始めると池上は何か考えるような顔をした後、ぼそっと呟いた。
「……旨いよ、十分ね」
とか言いつつ池上の顔からは表情が伺えない、実はあまり口に合ってないのではないか?
特に話すこともないのでそのまま黙々と食べ続ける。
私は池上より速く食べ終わると、先ほど貰った服を身につける、その服は少し大きかったが問題なく着られた。
「結構似合ってるじゃねえか瑞穂、少し秘書っぽい感じがするな」
秘書っぽいと言うのがどんな感じなのかは分からないが褒め言葉として受け取っておこう。
自分でも黒い服のおかげで自慢の銀髪が栄えている気がする、なかなかセンスの良い服だ、気に入った。
すると池上も食事が終わったようで、私に話しかけてくる。
「見た感じ、山田は気付いていなかったようだが……夕べは異能者が襲って来たんだろう?
まぁ、家に居た全員が生き残っていたんだから、お前が約束通り追い払ってくれたんだろうがな。
……とりあえず、ご苦労さんと言っておく」
気付いていたのか、池上もレオーネの幻術にかかったようだから当然か。
それに私ではなく師匠が追い払ったのだが、わざわざ訂正するほどの事でもない。
「どういたしまして、私は決められたことをやったまでだ
そろそろ私は失礼されて貰うよ、長々と居座るのも悪いからな」
そう言い席を立つ、そして廃校で拾ったバッグに天之尾羽張と洗濯し終わったばかり濡れた服を詰め込む。
「君が何を知って、何を思ってこの戦いに参加しているのか分からないが、『機関』に敵対するというならいずれまた逢うことになるだろう
その時は敵ではなく味方として戦えることを望んでいるよ、私は」
最後に池上に一礼する、私が脅したとはいえ一日見知らぬ私を家に泊めてくれたのだ、このくらいの感謝は当然だろう。
そして、踵を返して池上の家から出る、改めてみても大きな家だ、ここに一人暮らしというのも少し寂しそうだな。
153:籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6
08/05/30 01:40:05 0
>>152
池上の家から出てきたのは良いがこれからどうしようか私は考えていない。
能力者を倒すのも大事だ、でも明日を迎えるための宿も確保しておきたい、所持金はないけど。
「まぁ適当に彷徨いていれば、何とかなるんじゃないか?」
師匠が私の心情を察してか話しかけてくる、確かにここでずっと考え込んでいても何も変わらない。
現状を打破したいならまず動くことが先決だ。
「そうですね、行く当てもありませんが動きましょうか、じっとしていても仕方ありませんね」
しかし、この選択は私を後悔させた。
私の目の前には三人の不良、囲まれた。
普通に歩いていたら、前から三人の男が近寄ってきたのだ。
初めは異能力者かと思い身構えていたが、ただのナンパだった、返り討ちにしても良いが警察沙汰は面倒
それに『機関』に生存がばれた今は出来るだけ目立ちたくはない。
「君、可愛いね、俺達と楽しいコトしようぜ」
「外国人だよね?俺達がこの街を案内してやるよ」
「いえ、結構です、私仕事がありますので」
「そんなつれないコト言わないでさ、少しくらい良いじゃん」
こちらが断っているのに引き下がらない、これがナンパの恐ろしさだ。
一人の男が馴れ馴れしく腕を掴んでくる、気安く触るな、と殴り飛ばしそうになる衝動を抑える。
さて、どうしたものかな、ここで誰か正義感ある人物でも来てくれれば助かるのだが。
【籐堂院瑞穂:三人組の不良にナンパされる、助け待ち 場所は普通の道】
154:梓川 博之 ◆acBW5xlTro
08/05/30 22:52:35 0
>>134>>142>>144
慰めてやると、男性は振り向いた。
……すっげぇ哀しい目してるよ。
「……ありがとよ。オマエさん、いい奴だな」
「…………礼には及ばないさ」
この化学物質的料理を食ってしまったら、皆同じテンションだしな。
男性は立ち直ったのか、立ち上がって俺に言う。
「さて……それじゃあ行くか。オマエさんにも話す事があるから、
時間に余裕があるなら居間に戻ってくれ」
話すこと?
何があるのか知らないが、聞かないよりも聞いた方が断然良い。
…多分。
居間に戻ると、3人ともきちんと居た。
………七重がぐーすか眠りこけてる。
お前店長やその家族どころか店員でもなんでもないんだろ?何呑気に寝てるんだか。
そんな七重をスルーして、男性が話し始めた。
「……まあ、お前さん達も何か用があってここに来たんだと思うし、忙しいと思うが、
ここにいるのも何かの縁だ。一応話をさせてくれ。
お前らも見たり体験したりして、人によっちゃあ俺よりも知ってると思うが、
この町は今ヤバイ状態だ。そこら中で暴れてる奴等がいて、ゲリラの村みてぇにそこらの
奴に襲い掛かってやがる」
――異能者同士の戦いか。
つーかそんな凶暴な奴まで居るのかよ…戦いなんぞそうそう無いのによくその凶暴性を押さえられてたよな。
いや、この戦いで思う存分出来る様になったというのが正しいのか?まあいい、兎に角危険だな。
それよりも何でこの人が知ってるんだ?
155:梓川 博之 ◆acBW5xlTro
08/05/30 22:53:12 0
そして、各々の反応を見ながら男性が言う。
「……それで、だ。簡単に言うと、お前ら今晩は全員店に泊って行け」
……へぇあ?
「あー、唐突なのは解ってる。けど、考えてみろ。お前さん達がどこに宿を持ってるのかは
知らんが、この町中で暴れている暴徒共がいる。で、そいつらがどこにいるか解らない。
そんな状況で、夜に高々数人で家にいる、或いは、誰がいるかも解らないホテルに戻る行為が
どういう結果を呼ぶかって事を。それを考えれば、この店はこの町の他の場所より、
安全だと思って、今こういう話をしてんだ」
そりゃあ唐突過ぎだろ。
だが、何故『此処なら安全』と言えるのか…。
家に居れば誰かにでも恨まれたり、近くで戦いでもない限り襲われることは無い。
だが、俺以上の異能者の探知能力がある奴には何処に居ようと襲われるだろう。
つまりは何処に居ても同じって事だが、何故?
核シェルター?戦闘機?無理がありすぎる。
とくれば、飽き飽きとした展開だが――可能性があるのはアレぐらいだな。
「……まあ、俺の自己満足だし無理にとは言えねぇからな。帰るなら止めんさ。
ただし、もし帰らずに残るなら――成人限定で酒を奢ってやる!」
「うわ酷ぇ!」
俺には無しかよ!?
そう思って周りを見れば、
「…一日だけ、お世話になります。国崎さん」
正座してる!?ちょっ、そこで何で意味も無く正座!?
違うほうを向くと、
「美味しかったわ。じゃ、お先にお休み」
既に飲んで、布団に潜り込む。
この人男4人に囲まれてよく寝れるな!度胸があると言うのか、信用しているのか、はたまた誘ってゲフンゲフン。
七重は既に寝てるから此処に居るとして…。
最後は俺か。
男性――いや、ここの店長(多分国崎か?)の視線は俺に向いている。
ちなみに此処に止まってけという辺りでこの人が此処の持ち主だって分かった。
さて。どうしようか。
「――国崎さん、だよな?ちょっと二人で話したい事があるんだが…」
【梓川:国崎に対話を申し込む】
156:廻間 統時 ◆7VdkilIYF.
08/05/30 23:11:54 0
>>138
太刀を振り上げ、その一撃を命中させる。
だが、ツバサは大げさに飛ばされる事で俺の攻撃の衝撃を上手く逃し、ダメージを軽減させた。
そして、何らかの呪文を唱える。
その呪文が唱えられた瞬間、鬼の体が足元から徐々に消えていった。
>「さて、これは君たちの勝ちかな?何にせよ俺は一撃貰ってしまったからな。」
俺の、勝ちだと?
…なるほど、やはりツバサも実力の差があることに気付いていたらしい。
ツバサに一撃を加えることで、その瞬間俺達が勝ちとなるハンディキャップマッチ。
正直、もう少し戦ってみたかったがツバサがそういうなら仕方がない。
ツバサが鬼を消したように手に持った鎌も消し去る。既に戦意は無いらしい、俺も同じように太刀を消し去る。
そして、先ほどから見ていたのかは分からないが、互いに得物を消し去ったのと同じタイミングで一人の女性が現れた。
話の内容を横で聞いていると、女性の名は空雲と言いツバサの部下らしい。
空雲は携帯電話をツバサに渡した。電話の相手は金剛というらしい。名前からして男か?
>「それなら早々にここを消えることにするか。」
目を輝かせ、どこか嬉しそうにツバサは呟く。
そして身をひるがえし足早にこの場を去った。
>「さて、今回は負けにしておこう、つぎ合うまでにキリスト教にでも懺悔してるといい
次にあうときは俺は完全にてきだ!」
「フン、俺は宗教なんかに入るつもりはないね」
俺はツバサの台詞に答えるように、俺は呟いた。
…あ、ツバサが転んだ。
157:廻間 統時 ◆7VdkilIYF.
08/05/30 23:14:33 0
俺は辺りを見渡し、ツバサがこの場から消え去った事を確認する。
そして、心の中に充満している黒い意思を消し去った。
「…ふぅー…」
目に光が戻り、顔に感情が戻る。心の中に、喜怒哀楽が流れ込んでくる。
それは完璧に普段の俺へと戻った事を表していた。
桜が椅子から立ち上がり、俺に駆け寄ってくる。
「…お前のおかげで、助かったよ。ありがとう」
そんな事無いと、桜が顔を横に振り否定する。
だが、事実俺は桜がツバサに不意打ちを加えた事で勝ったのだ。
もちろん無意識の行動だろうが、それでも構わなかった。
「それじゃあ行くか。遅くなっちまったからな」
…そういえば、あの男はどうするか。能力者の女が介抱しているが…
俺の気のせいかもしれないが、能力者の男女は互いに知り合いみたいな感じがする。
そうと分かれば、あの男の事は女に任せておけばいいか。
俺と桜は、再び帰路を歩く事にした。
【廻間:桜を家まで送り届け、廻間自身も家に戻る】
158:五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA
08/05/30 23:48:06 0
蝙蝠から逃げて数時間
すでに夜は明け
バリスタを展開したまま歩く私はかなり怪しい
「うぁ・・・」
先ほども、絡んできた警察を気絶するまでバリスタで殴打したが
手元が狂って交差点の反対側まで吹っ飛んでいった
「しかし、血が足りないな・・・」
緊急輸血用の血袋は蝙蝠から逃げるための囮にしてもう一つも残っていない
目の前がかすむ
刹那目の焦点が合う其処には国崎薬局の文字
「薬局か・・・なにか・・・ない・・・か・・・」
思考が停止した
【三日目 貧血 国崎薬局の玄関で気絶】
159:恋島達哉 ◆KmVFX58O0o
08/05/30 23:59:39 0
>>144>>154-155
正座したものの、別にそこまで謙遜する必要も無いよな。つか国崎さん軽く引いているし
俺は体勢を崩して、テーブルの上に置かれたコップを手に取り―ってちょっと飲まれてるし!
>「美味しかったわ。じゃ、お先にお休み」
思わず顔がションボリした。いや、葦川さんに先を越された事がじゃないんだ
うん、そうなんというかやっぱ酒は幾らなんでも悪いかなって…
ホントにそう、一番酒を飲みたかった訳じゃ…今の俺の表情は一体どんな情けない顔なんだろう
急に熱が冷めて、俺は国崎さんに
「すみません、やっぱ悪いですよ。泊めて頂けるだけ十分ありがたいです。お気持ちだけ」
と白々しく寒々しい言葉で謝ってコップをテーブルに置いた。はぁ~…
気分を変えようと一服しようとしたが、何となく悪い気がして止めた
どことなく耳心地の良い寝息が聞こえると思ったら、葦川さんが横になっていた。疲れたんだろうな
急に眠気が襲ってきた。…かなり猛烈だ。俺の目がしばしばパチパチする
駄目だ、負ける。俺は学生と国崎さんに就寝の挨拶をして、ごろりと雑魚寝した
ふと携帯が気になり取り出して調べてみる。二通の着新メールを受信していた
例のチェーンメールが三日から一週間に伸びたようだ。まぁ三日じゃ無理だわな。にしても改変するならもっと派手にしろっての
もう一つは九鬼からだ。俺が伝えていた安価で泊まれるホテルの情報だ。何々…
ふ、フタツナスカイホテルゥ!? バ、バカじゃねえか! この町で一番でかくてなおかつ最高級…
あ、何だ、その近くのカプセルホテルか…ザ・近未来…ねぇ。名前だけは派手そうだな
ただ寝泊りするだけだからなぁ…別にこの町に観光しに来たわけでもないし。それに贅沢できるほど預金に余裕も無いし
携帯をしまい、メガネを外して目を閉じる。この町に来て殆ど間もないのに凄い疲労感がする
こんな調子じゃ東京に戻る頃にはガリガリに痩せてそうだな、俺…
つうか東京に戻れるのかよ…遺書でも書いておこ…
瞬間、俺はガクンと、意識を闇に落とした
【お酒を丁重に断る。寝落ち】
【二日目終了】
160:国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI
08/05/31 00:48:29 0
>>159,155,144
>「美味しかったわ。じゃ、お先にお休み」
>「すみません、やっぱ悪いですよ。泊めて頂けるだけ十分ありがたいです。お気持ちだけ」
と言いつつ横になった二人は、やがて寝息を立て始めた。
随分と寝つきがいいのは、今日あんな事があったからだろう。
睡眠は、身体が疲れたときだけでなく、精神の疲労でも要求される。
ましてやその両方ともなれば、言わずもがなだ。
俺はそんな彼等の様子に少し表情を緩め、コップに入れた二杯目の酒を一気に煽ってから、
押入れから毛布を二枚取り出して、それを寝ている二人の上にかけてやった。
そうして、この場で起きているであろう最後の一人の方に目を向ける。
>「――国崎さん、だよな?ちょっと二人で話したい事があるんだが…」
男は、目を合わせるととそのように話しかけてきた。
この状況での質問だ。内容の予測は幾つか立てられるが、例えその予測が当たったとしても、
俺は、俺の意思。即ち、出来うる限り一般人であろうとする考えを折るつもりは無い。
「そいつは別に構わねぇが、なるべく早く済ませろよ?
この店、明日も通常営業だからな。夜更かしで閉店とあっちゃ社会人失格だ」
軽い調子でそう返してから、三杯目の酒が入ったコップを右手に持つ。
そしてそのまま庭に面した縁側に移動し、男にもそこに座るよう促した。
縁側は風が流れており、幾分中より涼しかった。
自分で設置したいくつもの監視装置や罠の存在は気になるものの、それも十分に隠蔽してあるので
そこまで風雅を壊してはいない……と思う。
俺は、男の行動を目で追うでもなく、すっかり暗くなった庭と浮かぶ満月に視線を向けながら問う。
「……で、何の様だ? 匿名希望のボウズ。ちなみに性の悩みなら聞かねぇぞ」
【国崎:質問に対応。酔いは0】