08/03/16 02:04:28 0
>37
>話し合いでは解決できないのか?
「お前を見てると、というのが気になるが、まあいいだろー」
ウサコは少し不満そうではあるが、質問に答えるようだ。
「大魔王様は、世界を滅ぼす事は目的の為の通過点に過ぎないと言っていただろー。
そうまでして何が目的なのかは、大魔王様しか知らないだろー。
ただ一つ言えることは、大魔王様と話し合いをしたいなら、
大魔王様の城に直接乗り込んで、あの『鳥』を薙ぎ払い、直に会うしか無いだろー」
「しかし、お前はウィザードとして、どこかズレてるだろー。
普通のウィザードなら、世界を滅ぼそうとしてる魔王が居たら、事情なんか聞かずにフルボッコにするだろー。
だが、お前には、その冷徹さが無いだろー。そのうち、それが仇になるだろー」
ウサコは時間と空間を操る魔王だ。多少なりとも先の事を知っている可能性はある。
故にこの忠告には信憑性がある。
「そもそも、お前は私を甘く見過ぎだろー。
私は裏界の魔王だ。元から人間と分かり合おうとは思っていないし、今でも世界を滅ぼそうと思っている。
ただ、初代星の巫女みたいな便利なアイテムが無いから、ちょっと自粛してるだけだろー」
>38
>捕虜の収容場所
「大魔王様は基本的に捕虜はとらないだろー」
ウサコは薄ら笑いを浮かべて国王の方を見た。
国王は渋い顔をしているが、それがウサコの言葉が真実である事を物語っていた。
「だが、大魔王様はリーベルを高く評価していたから、きっと味方に引き込もうと考えているだろー。
多分無事だろー。大方、貴賓室辺りにでも居るだろー」
>ウサコはこれからどうなるの?
国王はそれから、大魔王自身の能力等に関することを問い詰めた。
だが、大魔王自身がどのような力を持っているかはウサコも知らず、
やがてウサコが自分の知っている事を全て喋ったことを悟ると、国王は声を張り上げた。
「引っ立てい!」
その命令に従った衛兵達は、ウサコをずるずると引き摺ってゆく。
「今回は私の負けだが、私は滅びぬ。何度でも蘇るだろー。
お前達が大魔王様に殺されなかったら、今度こそ私が勝ってみせるだろー」
ウサコは引き摺られてゆくとき、悔し紛れに負け惜しみを言う生意気な子供みたいな表情で、しかしやはり棒読みで言った。