08/02/25 00:08:15 0
>>320
>「おいポップ!覇気が出ない、お前の援護が必要だ。どうやらランカムは何かに操られているようだ!
> 上条だったか?お前の能力はあいつを操っている何かを消せそうか?」
「ぶはっ!ぜぇぜぇ……へへっ」
上条を下ろし、ポップはまた荒く息を吐く。そして嬉しそうに笑った。
フェルが立ち直っている。それどころか、自分達を頼りランカムを元に戻そうとしているのだ。
以前のフェルからは有り得ない言動である。どうやら何か吹っ切れたらしい。
「分かった、任しとけ!いっちょランカムをバシッと正気に戻してやろうぜ!」
ポップは元気一杯に胸を張った。
だが実際のところ、その残された力は僅かであった。
今回の戦いでの度重なる魔法の使用により、回復薬を使ったにも関わらずもう充分な魔力は残っていない。
ダメージは無理矢理治したが、走りっ放しで体力自体は残り少ない。
そして上条にしろフェルにしろ、万全とは程遠い。
特に上条のダメージは気になったが、ランカムをを元に戻すには、効くかは分からないが上条の右手に賭けるしかない。
ポップは懐から、空っぽの試験管を取り出した。さっき飲み干した、黒狐に貰ったMP回復のポーションの入れ物だ。
それを握り締め、ポップは上条と構えたフェルに短く小声で伝える。
「フェル、なんとかランカムの動きを少しだけ止めててくれ。そしたら俺がとっておきの呪文で隙を作る。
あとは上条、お前の右手を頼りにしてるぜ」