07/09/16 22:55:28 Dsnzt+O+
時刻は午前六時。
東から昇った太陽は、まだ天の中腹にあるという時刻だ。
沖木島にある鎌石小中学校の放送室には、一人の若年教師がいる。
今の彼が何を思い、何を考えているのかは分からない。
熱血教師を地でいく彼は、平成に甦った金八先生と言ってもいい。
その彼が何故、殺し合いの主催者になったのか、それは誰にも分からない。
愛すべき人を人質にとられたのか、元々隠し持っていた本性が吹き出たのか。
それとも……
そんな彼はいま、放送室で一本のマイクを手に取り、仕事に取り掛かるところだ。
「あー、あー、ただいまマイクのテスト中。ただいまマイクのテスト中。
よし、聞こえてるな。午前6時になったので、これから第一放送を流すぞ。一回しか言わないからよく聞くように。
まず、午前0時から6時までの死亡者だ。
進藤ヒカル、安仁屋恵壹、小早川瀬那、外村美鈴、清熊もみじ、寺谷靖雅、大場浩人、葦月伊織、野上冴子、南戸唯、菊丸英二
滝鈴音、魚住純、以上13名だ」
死亡者を読み上げる際、彼は若干感情を抑えて発言したかのように見えた。
それは、自身の感情を隠すための行動なのか。単なる演技なのか。
「続いて、禁止エリアの発表をする。××時にエリア●●、××時にエリア●●、……、××時にエリア●●。以上△個が禁止エリアだ」
必要な事を伝え終わったら、それ以上のことは言わない。
第一放送は、これで終了した。